久しぶりに仁川のチャイナタウンに行ってみると、
入口のところに石の立派な門が出来ていました。
かつては同じ場所に木製の門が立っていたのですが、
老朽化してきたので、立て替えられることになったそうです。
昨年訪れたときは何の門もなく、寂しい風景でしたが、
こうして入口に門があると気分も盛り上がりますね。
仁川駅を降りてすぐ、チャイナタウンの入口で見られます。
仁川観光公社の方と一緒に3軒の郷土料理店を取材した後、
ほぼ満腹の状態でしたが、どうしても食べたかったのがこれ。
仁川市が新名物として今後アピールしようとしている、
100年前のチャジャンミョン(ジャージャー麺)です。
チャイナタウンにある、中華料理店が再現をしました。
韓国におけるチャジャンミョンの歴史は19世紀後半に始まり、
確認できるもっとも古い専門店の創業が1905年でした。
仁川市のチャイナタウンにはその建物がボロボロながらも残っており、
修復を進めて、いずれチャジャンミョン博物館にする予定もあります。
大事な観光商品とのことで、仁川市もアピールに力を入れており、
こうした再現料理が誕生する背景にもなっている模様です。
ポイントとなるのは何よりもまず味噌(炸醤)のようですね。
チュンジャンと呼ばれる黒味噌を、大量のひき肉と一緒に炒め、
甘味など余計な味付けを施さないのが特色だとか。
まずは味噌だけ食べてみましたが、確かに塩気が強く甘味がありません。
油のこってり感はあるものの、汁気やとろみもまったくないですね。
ひき肉と味噌を混ぜただけのような、ぼってりした食感です。
その味噌を麺に載せ、右上にちらりと見えるスープを少量注ぎ、
全体をあまり混ぜない状態で食べる、というのが作法だそうです。
まあ、その作法を帰国後にネットで見て知ったので、
食べたときは普段通り、豪快に混ぜてしまったんですけどね。
味噌だけ食べたときは、ずいぶん濃い味に思えましたが、
麺とあわせてみるとひき肉の印象が強く、旨味も濃厚です。
甘味を感じないので、全体に引き締まった印象もありますね。
むしろ、食べての正直な感想ですが、
これが100年前のチャジャンミョンだとしたら、
「100年でずいぶん退化したな……」
とまで思ったぐらい。
普通に食べるチャジャンミョンより、よほどゴージャスです。
まあ、値段も7000ウォンと少し高めですけどね。
ちなみに提供しているのは、「萬多福」という店。
いずれは地域の名物として他店にも普及させたいそうですが、
とりあえず現在は、この店の裏メニューとしてしか存在しません。
メニューにもないので、行っても食べられる保証はないかも。
どうしてもという方は事前に確認することをおすすめします。
帰り際、お店の方に少し話を聞いてみましたが、
さすがに100年前のレシピが現存する訳ではない様子。
店の社長さんが、中国に出向いて長老のような方に話を聞き、
情報を照らし合わせて、再現したということだそうです。
その過程で、多少現代風にもアレンジしているんでしょうね。
コーンやグリンピース、レタスなどまで具として入っていましたが、
100年前にしてはちょっと豪華すぎる気がします。
いずれ詳しく再現にまつわる話など詳しく聞いてみたいものですね。
ともかくも仁川のチャイナタウンに新たな名物が誕生。
興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。
仁川大橋が開通したので、空港からのアクセスもよくなっています。
5 Responses to 仁川で100年前のチャジャンミョン。