【#韓国絶品グルメ30選 001】全州ビビンバ(全羅北道全州市)。一帯は湖南平野という広大な穀倉地帯で、良質な米と野菜が豊富にとれます。近隣には牛肉やコチュジャンの名産地もあり、これら地域の食をひとまとめに味わえるのが持ち味の料理。クチナシで染めたムク(緑豆寒天)の食感も欠かせません。
【#韓国絶品グルメ30選 002】水原王(王)カルビ(京畿道水原市)。大きく切った牛カルビ焼き。水原では朝鮮時代後期に規模の大きな牛市場で賑わい、これを背景として1940年代から専門店が増えました。当初はスープに入れて提供した牛カルビを、薬味ダレに漬けた炭火焼きでも提供し大ヒットしました。
【#韓国絶品グルメ30選 003】黒豚焼肉(済州特別自治道)。済州道ではかつて家庭で黒豚を飼育し、ハレの日の祝い料理として用いました。現在も専門店が多く、代表的な食べ方のひとつが焼肉。オギョプサル(皮付きのバラ肉)、モクサル(肩ロース)などを焼き、塩辛汁につけて食べるのが済州道流です。
【#韓国絶品グルメ30選 004】サムゲタン(大田広域市)。大田を代表する6種の料理、大田6味のひとつ。近隣には高麗人参の名産地である錦山や、地鶏で有名な論山の連山地区があり、これらを使ったサムゲタンを1993年に大田の郷土料理として指定。大田両班サムゲタンとしてブランド化も進めています。
【#韓国絶品グルメ30選 005】ソルロンタン(大田広域市)。じっくり煮込んだ牛スープで、こちらも大田6味のひとつ。大田はソウルからの鉄道が慶尚道と全羅道に分岐する交通の要衝で、大勢の人が行き交う大田駅前の老舗飲食店「ハンバッ食堂」のソルロンタンが地域の顔として定着し名物となりました。
【#韓国絶品グルメ30選 006】テジクッパ(釜山広域市)。釜山を代表する郷土料理で、濃厚な豚骨スープにごはんを入れた豚のクッパです(写真はごはん別盛り)。言うなればとんこつラーメンのごはん版。味付けは薄めにしておき、卓上の塩やニラのキムチ、唐辛子ペースト、アミの塩辛などで調整します。
【#韓国絶品グルメ30選 007】ジャージャー麺(仁川広域市)。韓国語ではチャジャンミョン。18世紀末から19世紀初頭にかけて、中国の山東省から渡った人たちが韓国に伝えたとされています。仁川には韓国最大の中華街があり、チャジャンミョンの本場として知られます。チャジャンミョン博物館もあり。
【#韓国絶品グルメ30選 008】春川タッカルビ&マッククス(江原道春川市)。30選のうち、唯一これだけが2つセットで選ばれました。春川発祥とされるタッカルビ(鶏と野菜の鉄板炒め)を食べた後は、マッククス(冷やしそば)でシメるというのが定番の流れです。江原道はそばの名産地でもあります。
【#韓国絶品グルメ30選 009】サムギョプサル(忠清北道清州市)。清州はサムギョプサルの町。市内にはサムギョプサル通りがあり、3月3日(サムギョプサルデー)にはお祭りも開かれます。いったん醤油ダレに浸してから焼くのが清州式。これをなぜか日本語で「シオヤキ」と呼ぶのも興味深いところです。
【#韓国絶品グルメ30選 010】全州マッコリ(全羅北道全州市)。全州にはマッコリ専門の居酒屋が多く、その密集地域を指してマッコリタウンと呼びます。ヤカンのマッコリに料理をセットでつける店が多く、またマッコリの上澄みだけを飲む「マルグンスル(澄んだ酒)」の文化も全州ならではです。
【#韓国絶品グルメ30選 011】ユッケビビンバ(慶尚北道醴泉郡)。新鮮な牛赤身肉を刺身にしてごはんや野菜などと混ぜて食べます。慶尚北道は韓国でもっとも多くの韓牛を飼育する名産地であり、醴泉韓牛も有名ですが、まだ食べたことがないので写真は隣町の栄州韓牛を使ったユッケビビンバです。
【#韓国絶品グルメ30選 012】プデチゲ(京畿道議政府市、平沢市)。ソーセージやランチョンミート(スパム)などを加えたキムチ鍋で、議政府市と平沢市の松炭地区が本場として知られます。朝鮮戦争後に米軍基地から流れてきた缶詰類を韓国式に調理したのが始まり。料理名の直訳は「部隊鍋」です。
【#韓国絶品グルメ30選 013】ワタリガニ料理(仁川広域市・松島)。仁川の松島(ソンド)地区には専門店の集まる「松島ワタリガニ通り」があります。カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)ももちろん美味しいですが、仁川というと個人的にはコッケタン(ワタリガニ鍋)のイメージが強いですね。
【#韓国絶品グルメ30選 014】カムジャタン(全羅北道・全州など)。豚の背骨とジャガイモの鍋。全国的に親しまれる料理ですが、その発祥はよくわかっていません。全羅道で食べられていたものが、20世紀初頭に仁川、京畿道あたりで広まって、というのが有力なひとつ。いずれ詳しく調べてみたいですね。
【#韓国絶品グルメ30選 015】アワビの釜飯(済州特別自治道)。韓国語ではチョンボクトルソッパプ。アワビの名産地である済州ならではの炊き込みごはんです。肝も一緒に入れるので磯の香りが満載。よくかき混ぜてから食べますが、このとき店によってはバター(マーガリン)を加えたりもします。
【#韓国絶品グルメ30選 016】機張大蟹(釜山広域市)。釜山郊外の機張はズワイガニの名産地。写真の機張市場にはズワイガニの専門店通りがあります。国産ズワイガニの漁期は11~5月ですが、それ以外の時期でもロシア産のズワイガニやタラバガニなどを味わえます。食べ方はシンプルなスチームが主流。
【#韓国絶品グルメ30選 017】アワビ料理(全羅南道莞島郡)。韓国ではエゾアワビの養殖が大成功しており、そのうちの約7割が莞島で生産されています。現地では刺身、踊り焼きなど豪華なアワビ料理のフルコースを味わえます。個人的なお気に入りは唐辛子を少しだけ効かせたチャンジョリム(醤油煮)。
【#韓国絶品グルメ30選 018】ナクチポックム(釜山広域市)。煮汁を多めに作る鍋料理風の釜山式テナガダコ炒めです。かつて朝鮮紡績という会社のあった凡一洞で普及したことから朝紡(チョバン)ナクチとも。エビを追加するとナクセ。ホルモンを追加するとナッコプ。両方だとナッコプセと呼びます。
【#韓国絶品グルメ30選 019】カルグクス(忠清南道舒川郡など)。西海岸沿いの各地域はアサリ、ハマグリなどの貝類が豊富にとれます。これらの地域では魚介をたっぷり入れたカルグクス(手打ちうどん)が名物。写真は隣町の保寧で撮ったもの。干しダラ、エビなども入ってダシの味わいが濃厚でした。
【#韓国絶品グルメ30選 020】横城韓牛(江原道横城郡)。横城は韓国内でも韓牛のブランド化にいち早く取り組んだ地域です。畜産協同組合が運営する専門店では、最高等級の「1++」かつ、霜降り具合の最高級である「No.9」を冠した韓牛を味わえます(仕入れの状況ではないときも)。端的に言って絶品。
【#韓国絶品グルメ30選 021】松茸料理(江原道襄陽郡)。韓国における松茸の旬は、9月中旬から10月上旬。江原道南部から慶尚北道にかけての山間部が主産地です。写真は襄陽で食べたソンイプルコギ(松茸と牛肉の鍋)。鍋料理だけでなく、産地ではマツタケを牛肉と一緒に焼いて食べるのも定番です。
【#韓国絶品グルメ30選 022】マクチャン(大邱広域市)。マクチャンはギアラ(牛の第4胃)、または豚の直腸を指し、これを炭火、練炭などで網焼きにします。大邱の地下鉄アンジラン駅近くには豚のマクチャン、コプチャン(小腸)などを焼いて食べる店が集まっており、名物通りとして賑わっています。
【#韓国絶品グルメ30選 023】松汀(ソンジョン)トッカルビ(光州広域市)。光州の玄関口である光州松汀駅周辺にはトッカルビ(叩いた牛カルビ焼き)の専門店が並んでいます。牛カルビに豚肉を加えて柔らかさを出すのが松汀式。一緒についてくるピョクッ(豚の背骨のスープ)も名物のひとつです。
【#韓国絶品グルメ30選 024】蓮の葉包みごはん(忠清南道扶余郡)。韓国語ではヨンニプパプ(연잎밥)。かつて百済の都であった扶余は、百済が敬虔な仏教国であったことから、その象徴として蓮にちなんだ料理が名物になっています。ほかにヨンコッパン(蓮花饅頭)、ヨンコッチャ(蓮花茶)なども。
【#韓国絶品グルメ30選 025】安東チムタク(慶尚北道安東市)。ぶつ切りの鶏肉を野菜、春雨と甘辛く煮付けた料理。安東の旧市場が発祥で、客のリクエストから生まれた、フライドチキンへの対抗として開発されたなどの説が由来として語られます。2000~01年のブームで全国的な料理として広まりました。
【#韓国絶品グルメ30選 026】羅州コムタン(全羅南道羅州市)。羅州(ナジュ)式の牛スープです。広大な平野を持つ羅州は古くから米作りが盛んで、農作業に牛を使いました。牛が身近な地域ということで、牛骨、牛肉を煮込んだスープが地域の名物に。スープの中に沈んだごはんとともに味わい格別です。
【#韓国絶品グルメ30選 027】高敞 風川ウナギ(全羅北道高敞郡)。高敞(コチャン)はウナギの名産地。風の吹く汽水域でとれることから風川(プンチョン)ウナギの名がつきました。鉄板、または網焼きにして、葉野菜に包むか、醤油ダレで食べます。同じく名産である覆盆子酒(ラズベリー酒)を添えて。
【#韓国絶品グルメ30選 028】チムカルビ(大邱広域市)。牛カルビを大量のニンニクとともに甘辛く煮付けた料理で、ガツンと刺激的な味わいが持ち味です。脂とタレの濃厚さゆえにごはんとの相性がよく、最後に残ったタレと混ぜて食べるのも定番です。市内の東仁洞に専門店が密集。右上は調理前です。
【#韓国絶品グルメ30選 029】ナクチ料理(全羅南道務安郡)。ナクチは日本語でテナガダコ。写真はソウルで食べたヨンポタン(テナガダコ鍋)ですが、務安(ムアン)産を使っています。ほかにも活きたままぶつ切りにして刺身で食べたり、炒め物、焼き物、和え物、ビビンバなど料理法も多彩です。
【#韓国絶品グルメ30選 030】馬山アグチム(慶尚南道昌原市)。港町の馬山(マサン)を発祥とするアンコウの蒸し煮。セリや大豆モヤシを加えて辛口に仕立てます。かつては商品価値のなかったアンコウを、蒸し煮にして評判を得て、全国区の料理にしたのがこの町です。本来は干したアンコウで作ります。
以上、日本旅行業協会(JATA)によって選定された韓国の地方旅行をより楽しむための「#韓国絶品グルメ30選」、全料理の紹介でした。公式資料はこちら(https://www.jata-net.or.jp/about/jata/press/2019/pdf/190214_koreagrm30list.pdf、PDF)。ぜひ機会があれば現地へ食べに行ってみてください。どの料理も絶品です!
<お知らせ>
新刊『韓国行ったらこれ食べよう!』(誠文堂新光社)は大好評発売中。再度の増刷(三刷)でなんと1万部を突破しました。ソウル、釜山で味わえる、もう1歩奥に踏み込んだ韓国グルメを紹介しています。
<八田靖史プロフィール・既刊著書一覧>
https://www.kansyoku-life.com/profile
<最近のお仕事>
『全羅道ぐるり旅』(監修)
韓国観光公社福岡支社/無料/2018.7.17
『極皿~食の因数分解(冷麺編)』(番組出演)
BSフジ/2018.7.21, 2018.7.28
『マツコの知らない世界(新大久保グルメの世界)』(番組出演)
TBS/2018.11.13
『ワケあり!レッドゾーン(キムチ編)』(番組出演)
読売テレビ/2019.2.2、日本テレビ/2018.2.7
『地球の歩き方 韓国 2019~2020』(情報提供)
ダイヤモンド・ビッグ社(地球の歩き方編集室)/1,944円/2019.2.28
『もっと遊べるしのくぼ(新大久保)』(情報提供)
ぴあ/1,296円/2019.3.27
『週刊女性セブン 2019年6月20日号』(情報提供)
小学館/420円/2019.6.6
<日々のお仕事>
『韓国語学習ジャーナルhana Vol. 32』(FOOD連載)
→最新記事「Vol.32 バナナ味牛乳」 ←2019.7.1発売
『朝日新聞デジタル』(「海峡往来真発見」執筆)
→最新記事「ハモ料理、異なる味・食感」 ←2019.7.13UP
『ヒトサラマガジン』(コラム執筆)
→最新記事「熱戦間近の世界水泳選手権、開催地の韓国・光州が誇るご当地グルメ」 ←2019.7.10UP
『NHKラジオ まいにちハングル講座』(口絵、エッセイ執筆)
→最新記事「8月号 済州(チェジュ)」 ←2019.7.18UP
<イベント&オフ会情報>
8月25日(日):第16回「韓食語講座~市場編(3)~」 ←募集中 NEW!
※主催:ウリアカデミー
10月26~29日:グルメツアー「まんぷくツアー!江原道4日間(1班)」 ←仮予約受付中 NEW!
※受託販売:三進トラベルサービス
11月3~6日:グルメツアー「まんぷくツアー!江原道4日間(2班)」 ←仮予約受付終了
※受託販売:三進トラベルサービス
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