これまでの記事にも書きましたが、3月のツアーはミステリーツアー(参加者のみ2週間前に行程を告知)です。この下見報告は必ずしもツアーの内容を紹介する訳ではありますが、下見である以上、実際の内容に肉薄している「可能性」があります。せっかくのミステリーツアーなのにネタバレとなる「可能性」がありますので、その点をあらかじめご了承ください。
と、お約束の注意を書いたところで、冒頭の写真は山房山(サンバンサン)。
火山活動によってできた溶岩ドームのひとつで、奇岩怪石の多い済州島ではありますが、ここもまた何度となく眺めたくなるこんもり具合です。写真右下にお寺があるのにもご注目。頑張って石段を上ると石窟に仏様も鎮座しています。
ちょっと離れたところから見るとこんな感じ。
左手前に山房山、右奥に韓国最高峰の漢拏山(1950m)。なかなか写真では伝わりにくいのですが、山房山は平野部あってにここだけこんもり高いので、その唐突な感じがなんとも不思議な景観となっています。
個人的に好きなのは加波島(カパド)から麦畑越しに見る山房山。
韓国最南端の有人島である馬羅島(マラド)の、そのひとつ手前にあるのが加波島ですが、最南端ブランドで思いっきり観光地化した馬羅島に比べ、加波島のほうはひなびた離島の魅力がそのまま残っています。
位置関係としてはこんな感じ。
山房山は南西部の摹瑟浦(モスルポ)というエリアにあります。島とはいえ、しっかり回ろうとすると済州島は意外に広いので、摹瑟浦あたりはけっこう見逃されがちなのがもったいないですね。2度目、3度目ぐらいのリピーターさんにぜひおすすめしたいエリアです。
とか言いつつ、僕もお寺までは行ったことがなかったような。
今回もふもとまで行って写真を撮って、話題のこのアイスクリームを目指してしまいましたしね。「チチポン(치치퐁)」というお店で作ってくれる、ウサギ風のかわいらしいアイスクリームです。左の白いほうがクルミ味で、右がチョコ味です。
インスタ映え大事。
そんな摹瑟浦で今回目指したのがコチラのお店。
こちらのご夫婦にご記憶のある方はいらっしゃいますでしょうか。
新大久保で「韓流」、「黒豚」というお店をやっていらしたご夫婦ですが、いまは奥様のご実家がある済州島の摹瑟浦に帰られています。もともとお母様がなさっていた店を引き継いだそうですが、そんな経緯もあって店名は「ウリオモン食堂(우리어멍식당)」。オモンというのが済州島の方言でオモニ(お母さん)を意味します。
店名:ウリオモン食堂(우리어멍식당)
住所:済州道西帰浦市大静邑松岳観光路375(上摹里418)
住所:제주도 서귀포시 대정읍 송악관광로 375(상모리 418)
電話:064-792-0667
済州島においても看板料理は黒豚。
黒豚のオギョプサル(皮付き豚バラ肉の焼肉/오겹살)をはじめ、黒豚のモクサル(豚の肩ロース焼き/목살)、ヤンニョムカルビ(味付けの豚カルビ焼き、양념갈비)といった豚焼肉メニューを用意しています。新大久保で人気だった、マクチャングイ(豚の直腸焼き、막창구이)もあるようですね。
こんがり焼けたら塩辛のタレにつけて味わうのが済州島式。
済州島にこれだけ競合相手のある黒豚焼肉ですが、それでもこの店に来るのはほとんどが地元の方々だとか。観光客ももちろんやってきますが、地元で愛されているというのは何よりのステータスでしょう。
黒豚とともに、チョンボッチュク(アワビ粥/전복죽)が美味しいというのも大きなポイントだそうです。僕が店にいたのはわずかな時間でしたが、それでもこのチョンボッチュクをわざわざテイクアウトしにくる地元の方がいらっしゃいました。
新大久保時代もメニューにありましたが、もともとは奥様のお母さまが得意とした料理だそうです。その味を求めて、という地元の方も多いようですね。
最後は歴史的な面から摹瑟浦を代表する場所を紹介。
食事中に「ウリオモン食堂」からもそう遠くないと聞き、お願いして連れて行っていただきました。これは日本統治時代に作られた掩体壕(えんたいごう、飛行機の格納庫)の跡。かつてこの地域には日本軍の作ったアルトゥル飛行場があり、戦争の拡大とともにさまざまな軍事施設が設けられました。
日本統治と戦争の爪痕ということになりますが、摹瑟浦に行くとこういった場所も見られます。普段のツアーだとなかなか入りにくいエリアだけに、こういった歴史要素も含めてしっかり見るのもいいな、というのが下見での感想。とはいえ、2泊3日という限られた日程の中で、どれだけを盛り込めるかは難しいところ。本当に悩みの尽きない部分です。
今回の下見報告はこれで以上。
おかげさまで定員35名に対して、ほぼほぼ満員近くまで埋まったそうです。たくさんのみなさまとともに、済州島のグルメを目一杯満喫してきたいと思います。ご参加いただくみなさま、お楽しみに!
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