新大久保の「千里香」には何度も足を運びましたが、池袋のほうに来るのは初めてでした。
同じ店なのでもちろん看板メニューはヤンコチ(羊の串焼き、양꼬치)ですが、手焼きをしなければならない新大久保に対し、こちらは自動でくるくるひっくり返る専用の焼き器があるじゃないですか。
これがあるとないとでは大違いなんですよね。
どうしてもひとりは焼き係として忙殺されますので、なかなかゆっくり飲めなかったりしがちです。今後は池袋のほうももっと利用しよう、などと酔いの進む前から決心したのでした。
羊の串焼きをつつきながらビール、焼酎をぐいぐいと飲み、サイドメニューにはもち粉を絡めた食感のよい酢豚や……。
トドックイ(더덕구이、ツルニンジン焼き)。
延辺料理店に行くとは必ず頼む、干し豆腐の和え物。
そして、ジャガイモ炒めなどを堪能しました。
この韓国料理と中国料理の入り混じった感じが、延辺料理(中国東北部、延辺朝鮮族自治州の料理)の醍醐味ですよね。まだ延辺は行ったことがないので、いつかは本場のヤンコチをしこたま食べたいと思います。
シメは延辺式の冷麺。
甘味の強いスープが延辺らしくはありますが、リンゴの上に薬味ダレが忍ばせてあり、それをスープに溶きつつ味を変えていくあたりは平壌で食べた冷麺を思い出させるなとも。
ちょうどこの日は北朝鮮ツアーを手配するジェイエス・エンタープライズの社員さんもご一緒だったので、冷麺のみならずとも、北朝鮮観光の話でおおいに盛り上がりました。
ただ残念ながら、ミサイル発射の影響が大きく、今年2月12日をもって日本政府からは北朝鮮への渡航自粛要請が出ている状況です。実はゴールデンウィークに平壌で冷麺を食べるツアーをやろうというプランもあったのですが、さすがにこの状況ではみなさまにお勧めはできないと判断し、いったん延期とすることにしました。一部、先行して周囲の皆様には口頭で語ったりもしましたが、いずれ状況が変わるのを待つということにしています。
とはいえ、僕がお勧めできないだけでツアー自体はジェイエス・エンタープライズのほうで実施をするということのようです。僕からのお勧めはできませんので、渡航自粛要請が出ていることを念頭に置いたうえでの自己責任ということになりますが、企画に関わったということでお知らせしておきます。
いつの日か、大手を振って本場の冷麺を食べに行ける日が来るのを願います。
それがどれほどに感動的かは新刊『食の日韓論 ボクらは同じものを食べている』の第5章をご参考ください。
じわじわと、本当にじわじわと読んでくださった人が増えています。
店名:千里香池袋店
住所:東京都豊島区西池袋1-21-1YKDビル7階
電話:03-5992-8171
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