第12回のオレカテを実施したのは2月28日。
きっかり2ヶ月遅れになった後記を、どう言い訳しようか悩みつつ、先ほど3月、4月のスケジュールを振り返ってみました。たぶん、3月は仁川に捧げ、4月は北朝鮮に捧げたということですね。出張が絡んで更新が途絶えるのはいつものことですが、その間に3回ものオレカテがあったことを考えると、だいぶサボった感じですね。各先生方に申し訳ない限りです。
でも、第12回も、第13回も、第14回も、いま振り返ってみるに、どれもまったく異なったテーマでしたが、それぞれ面白い講座だったなぁと印象に強く残っています。
2013年9月に第1回を始めたときは、正直こんなに膨らむとは思っていませんでしたね。
その第1回で講師をしてくれたのが美容ライターの橘亜美さん。その橘さんからご紹介いただいたのが、第12回の講師である井上裕太先生です。日韓の間で留学や就職をサポートする会社を運営されており、その経験から韓国留学・就職についてお話をしていただきました。
冒頭の写真は第1部の様子。
主催者側としていちばん驚いたのは、学生さんからのお申込みが多かったことですね。大学生だったり、親御さんと一緒の高校生だったり。リクエストを受けて急遽、学割を設定するといった対応もあったのですが、これは今後も継続することになりました。25歳以下の学生さんは学生証持参で半額の1000円です。
日韓関係の冷え込みばかりが語られるなか、こうした若い芽が育っているのは心強いこと。
考えてみれば、K-POPブームからももう4~5年経ちますから、そこから入った中高生も留学、就職を考える時期ですよね。そういった人材が数年後に頭角を現してくるとすれば、冷え込みとか気にしている場合ではないのかもしれません。
そんな希望を密かに感じた第1部でした。
こちらは第2部の様子。
第1部、第2部ともに留学経験のある人、これから留学に行こうと思っている人がずいぶん多かったですね。短期留学の経験者というのもけっこう多いのだと改めて実感しました。
そういった参加者に向けて井上先生が語ったのは大きく4つ。
・留学
・不動産
・ビザ
・働く
タイトルにある留学、就職に、不動産とビザが加わったという感じでしょうか。
話は留学に向けた学校選び(大学併設の語学堂か、民間の語学学校か)に始まり、各選択肢におけるメリットやデメリット。大学に進学するなら付属の語学堂がいいとか、語学堂によっても文法重視と会話重視で教え方が異なるとか、寮設備の問題とかもですね。どこで学ぶかというのは、何を学びたいかにもつながるのですが、そんな選択肢の例を学ぶことができました。
さらに不動産という項目が示すように、どう生活するかというのも大事なこと。講義の中で特に印象的だったのが……。
「私生活の安定は留学においていちばん大事」
という話でしたね。これ自分の経験から見ても本当に大事なことで、生活に馴染めなくて帰国する人はけっこう多いです。慣れない外国暮らしでストレスも溜まるし、体調を崩したり、人間関係で悩んだり、語学と関係ないところに落とし穴がたくさんあります。
僕も絶対に言いますもんね。
「留学でいちばん大事なのは無理しないこと」
頑張るのは大事ですが、頑張らない余裕を持つのはもっと大事。そういった意味からも、どう住むか、どう自分の空間を確保するかはとても重要です。リラックスできる余裕があるから頑張れるということを、留学当初なんかは張り切りすぎて忘れがちです。
それに韓国では家探し自体も大変なんですよね。
不動産の種類(コシテル、考試院、下宿、オフィステルなど)から、だいたいの相場、契約方法に至るまで、本当に細部にまで踏み込んだ丁寧な解説でした。
また、ビザについても同様。
留学生としてどんなビザを取るかは、アルバイトができるかなどにも関わってきますし、いずれ就職を考えるならよりいっそう重要。就労ビザが下りないケースも多々あって、韓国で働きたくても働けないという事例はいくらでもあります。
僕は韓国で就職したことがないので(日本でもないけど)、留学にかかわるビザしか知りませんでしたが、どのビザが就職に有利とか、ワーホリビザの効果的な使い方といった話もあって勉強になりました。留学生のときにそういう話を聞いておけば、ひょっとして韓国で就職することもあったかもしれません。
韓国で就職するハードルの高さも話にありましたけどね。
韓国語のできる日本人というだけなら、日本語のできる韓国人を雇ったほうが、ビザの心配もないし会社も楽。韓国語が話せるというのは出発点でしかなく、その韓国語で何をするか(できるか)のほうがよっぽど大事です。
「なぜ韓国語を学ぶのか目的意識をしっかり持つ」
なんて話は、いまさらながら身に染みました。
もうこの講座、定期的にやったほうがいいんじゃないかとも思ったり。
あと、終了後のアンケートを見て気付いたのですが、学生が留学するのと、社会人が留学するのとでは求める話がまったく変わってくるんですね。就職と転職でもまったく違いますし、フリーランスとして韓国で働きたい人もいる。もし次があるなら参加対象を明確に分けたほうがよいというのも理解しました。
やればやるほどやりたいことが増えるオレカテ。
現在は第15回の参加者を募集中(残席僅少)で、ゴールデンウィーク明けには第16回の告知も行う予定です。
・第15回「オレカテ」(講師:鈴木千香枝さん)残席僅少
ポジャギ、メドゥプ、刺繍~閨房工芸の世界~
・第16回「オレカテ」(講師:佐藤大介さん)5月上旬告知予定
元ソウル特派員から見た日韓関係の過去、現在、そして未来 ~国交回復から半世紀を踏まえて~
ご関心のある方、お待ちしております!