三進トラベル「慶尚道縦断まんぷくツアー4日間」後記(前編)。

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 三進トラベルの「まんぷくツアー」は今年で6回目。

 ありがたいことに年々参加者が増え、今年は第1班、第2班合わせて48名の方と食べ歩きました。ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました&お疲れさまでした。おかげさまで今年も美味しいもの三昧の幸せな日々でした。

 なお、第1回からの様子はこんな感じ。
 

2008年「全羅北道まんぷくツアー4日間」
https://www.kansyoku-life.com/2008/10/816.html
https://www.kansyoku-life.com/2008/10/817.html
2010年「全羅北道まんぷくツアー4日間」
https://www.kansyoku-life.com/2010/12/1216.html
https://www.kansyoku-life.com/2010/12/1217.html
2011年「全羅南道まんぷくツアー4日間」
https://www.kansyoku-life.com/2012/01/1341.html
https://www.kansyoku-life.com/2012/01/1342.html
2012年「江原道まんぷくツアー4日間」
https://www.kansyoku-life.com/2012/11/1452.html
https://www.kansyoku-life.com/2012/11/1453.html
2013年「韓国南部まんぷくツアー4日間」
https://www.kansyoku-life.com/2013/12/1664.html
https://www.kansyoku-life.com/2013/12/1666.html
https://www.kansyoku-life.com/2013/12/1667.html
https://www.kansyoku-life.com/2013/12/1670.html

 

 だいぶあちこち制覇してきた感じですね。

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 さて、初日にまず空港に着いたみなさまと向かったのはソウル郊外の議政府(ウィジョンブ)。ここの名物といえば何よりプデチゲ(ソーセージ入りキムチ鍋、부대찌개)です。仁川・金浦空港からメインの慶尚北道に向かうにあたり、途中で遅めのお昼ごはんを食べられるところ、ということで途中下車の場に選んでみました。

 議政府で食べるプデチゲはさすが発祥の地とされるだけあって別格。

 ベースとなるスープの味が違うんですよね。濃厚な牛骨スープでなく、金色をしたごくごく薄味のスープ。ソーセージやランチョンミートなどが入るにしては、さらっと食べられるのが何よりの特徴です。

 面白かったのは、たまたまテレビの取材が入って、みなさんとインタビューに応じたこと。

 第1班がケーブルテレビの「チャンネルa」という放送局で、第2班が地上波の「MBC」。どちらもまったくのアポなしなのに、2班とも同じところで取材が重なるという珍事に、僕ら裏方のほうも目を丸くするばかりでした。

 ちなみにどちらもインタビューはちゃんと使われており、何人かの方が韓国デビューを果たしました。僕も「チャンネルa」のほうにちらりと……。

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 その後、慶尚北道までバスで南下し、最初の目的地は栄州(ヨンジュ)。

 栄州については今年5月に3泊し、三部作の栄州物語を書きました。そんな思い入れの土地でまず訪れたのは出張報告にも書いた豊基(プンギ)の高麗人参市場。

「最上級の6年物が6本でW3万5000」
「同じく6年物だけどちょっと細いのが8本でW3万3000」
「天ぷら用の若いものが10本でW6000」

 という驚異的な激安価格。

 みなさんずいぶん買っていらっしゃいましたね。そして前回も書きましたが、

韓国から生の高麗人参を持ち帰る方法(個人消費用)

 はリンク先にまとめてあるのでご覧ください。

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 その後、初日の夕食場所に到着して、いきなりのサプライズがこちら。

 栄州で新たに開発された、

「豊基高麗人参ビール(풍기인삼맥주)!」

 を栄州市の方が特別に差し入れてくれました。しかもビンビールかと思いきや、サーバーごと店に持ち込んで生ビールでの提供。いやあ、これは嬉しかったですねぇ。最初の夜を祝うにふさわしい絶好の乾杯酒となりました。

 第1班の乾杯風景は慶北日報という地元紙の記事にも取り上げられたほど。

 飲んでみると高麗人参のフレーバーは後味にほんのりという感じで、決してキワモノでなく、ビールとして美味しいという優れもの。ベルギーなどヨーロッパ系のビールがお好きという参加者の方も絶賛していらっしゃいました。

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 一方、第2班ではなんと張彧鉉(チャン・ウキョン)栄州市長がご挨拶に(写真中央)。

 まんぷくツアーもだいぶ回を重ねましたが、市長さんが挨拶にみえるというのは初めてのことで、僕らも恐縮しきり。市長さんからはみなさまに高麗人参を使ったハンドクリームのプレゼントもあり、至れり尽くせりの大歓迎でした。

 なお、写真左にいらっしゃる方が栄州市観光担当のイ・ジェウさんで、栄州のいいところはほとんど彼に教えていただきました。7月に出た新刊「八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理」の76ページにも名前が登場しています。

 写真右はいつもお世話になっているガイドの文仙姫(ムン・ソニ)さん。

「今回もガイドは文さんです」

 と聞けば、それだけで今回のツアーも大丈夫と思える信頼の大ベテランです。

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 そんなサプライズ混じりの夕食は栄州名物のカルビサル(牛カルビ焼き、갈비살)。

 栄州は韓牛(和牛に相当するブランド牛)の名産地であり、牛肉の質にも定評のある地域ですが、不思議なことに地元の方はカルビサルしか食べないという特別なこだわりを持っています。それに隣町である奉化(ポンファ)産のマツタケを添えて、一緒に焼きながら味わうという趣向。さらには一緒にマツタケごはんと、マツタケ鍋も出てきました。

 ただ、今年はマツタケの旬に間に合わず、3日目の朝食も含め、どちらも冷凍になってしまったのは申し訳ないところ。

 昨年は11月8日の時点でまだ生マツタケが残っていましたが、今年は他地域でも10月半ばで終わったとの声が多かったです。旬との付き合い方は改めて難しいものだと痛感しました。

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 翌朝。

 まんぷくツアーでは地方の珍しい郷土料理もふんだんに取り入れるようにしていますが、今回のテピョンチョ(そば寒天入りキムチ鍋、태평초)はその中でもかなりのレア物でした。慶尚北道の中でも栄州市近辺でしか食べられていない希少な一品。

 そのルーツは宮中料理のタンピョンチェ(宮中式の和え物、탕평채)にあるといい、朝鮮時代にソンビ(儒学者)を多数輩出した栄州らしさの詰まった料理です。

 第6回のツアーを慶尚北道に決めたとき、まず思ったのが、

「料理の中に歴史を詰め込めないだろうか」

 ということだったんですよね。

 慶尚北道といえば新羅の古都である慶州(キョンジュ)や、朝鮮時代の家並みを残す安東(アンドン)など、歴史的な遺産を多数現代に残す地域です。有名なこの2地域以外にも朝鮮時代から中央との距離を比較的近く保っていた地域はたくさんあり、そういった部分を地域の特色として、テピョンチョに代弁してもらうというのが狙いでした。

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 毎度、おやつが充実しているのはまんぷくツアーのお約束。

 朝食後にやはり栄州名物の生姜ドーナツをつまみ食いし、浮石寺(プソクサ)の参道でリンゴチップを購入したら、ムソム村の一本橋を見て一路、安東へ。

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 お昼ごはんが、どーん。

 真ん中のチョングッチャン(納豆汁、청국장)と、カンコドゥンオ(塩サバ、간고등어)がメインですが、それ以外の副菜もたいへん充実していました。手前の皿と、奥の皿がそれぞれ違うというのもすごいですね。10数種類の副菜がつくというのは、全羅道ならまだしも慶尚道ではけっこうな贅沢です。

 どころかこれに加えて……。

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 安東名物のチムタク(鶏肉と野菜の蒸し煮、찜닭)も少なめのサイズで登場。

 結果、ものすごくお腹いっぱいになる昼食になりましたが、種類の多い安東名物をひとつでも召し上がっていただけたのは何よりです。

 なお、こちらは「韓国語学習ジャーナルhana Vol. 03」で紹介した店。

 メインが3種類あったような感じでしたが、チョングッチャンも、塩サバもチムタクも、それぞれを絶賛する人がいて、どうやら満足度の高い食事になったようです。

 ……といったところで前編はおしまい。

 この後も長くなりそうですが、中編、後編と続いていく予定です。

 地方料理の数々にクラクラした方は、コチラのページもご確認ください。来年2月にはソウル近郊を巡るミステリーツアーが用意されており、そちらもグルメには最大限力を注いでおります。

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