毎年恒例、秋のまんぷくツアーが公開されました。すでに募集が始まっており、ありがたいことに早々から申し込みもいただいているそうです。
このツアーは2008年にスタートし、翌2009年は新型インフルエンザの影響から中止になったものの、その後ずっと続いて今回で6回目。過去にはこんな感じでツアーを行いました。
2008年「全羅北道まんぷく4日間」
https://www.kansyoku-life.com/2008/10/816.html
https://www.kansyoku-life.com/2008/10/817.html
2010年「全羅北道まんぷく4日間」
https://www.kansyoku-life.com/2010/12/1216.html
https://www.kansyoku-life.com/2010/12/1217.html
2011年「全羅南道まんぷく4日間」
https://www.kansyoku-life.com/2012/01/1341.html
https://www.kansyoku-life.com/2012/01/1342.html
2012年「江原道まんぷく4日間」
https://www.kansyoku-life.com/2012/11/1452.html
https://www.kansyoku-life.com/2012/11/1453.html
2013年「韓国南部まんぷく4日間」
https://www.kansyoku-life.com/2013/12/1664.html
https://www.kansyoku-life.com/2013/12/1666.html
https://www.kansyoku-life.com/2013/12/1667.html
https://www.kansyoku-life.com/2013/12/1670.html
今年の目的地は慶尚北道。僕の中でいちばんホットなエリアを攻めに行きます。なお、冒頭の写真は栄州(ヨンジュ)の浮石寺(プソクサ)。
今年5月に3泊した栄州については、以下のように三部作のレポートをまとめました。地元の観光担当が「栄州は名物がありすぎて焦点を絞るのに悩む」と語るぐらいに豊かな土地。決してネームバリューのある地域ではありませんが、行ってみると美味しいものが山ほどあります。
栄州物語(1)~栄州と聞いて思い浮かべるものは?
https://www.kansyoku-life.com/2014/05/4808.html
栄州物語(2)~衝撃の大粒チョングッチャンに出合った日
https://www.kansyoku-life.com/2014/05/4853.html
栄州物語(3)~郷土料理の源流には宮中料理があった
https://www.kansyoku-life.com/2014/05/4880.html
慶尚北道を訪れるにあたり、まずチェックしたいのは果物。農産物の宝庫ともいえるこのエリアでは、尚州(サンジュ)の柿、聞慶(ムンギョン)の五味子、星州(ソンジュ)のマクワウリなど、全国に名を轟かせる名産品が多くあります。
今回訪れる栄州もリンゴ、スイカ、モモなどの名産地。中でもリンゴは有名ですが、5月に行って悶えんばかりに驚いたのがこのサグァマルレンイ(切り干しリンゴ、사과말랭이)ですね。カットしたリンゴを干したものですが、これがもう甘くて、ほの酸っぱくて、夢中になって食べるほどでした。
冒頭の写真、浮石寺の参道でこれを販売しています。これ超オススメ。
そして、栄州は韓牛の生産でも有名な土地柄。しかも地元の人に言わせれば、「地元民はロースなんか食べません。カルビだけです」というこだわりがあるそうで。
焼肉店に入ってメニューを見ると、5種類のうち3種類はカルビサル(骨なしカルビ、갈비살)で、脂の差し込み具合によって値段がすべて違うのでした。そんなこだわりの牛カルビを……。
マツタケと賞味。
マツタケはすぐ隣町の奉化(ポンファ)名物です。奉化、安東(アンドン)、青松(チョンソン)とマツタケの名産地がずらり揃う慶尚北道だからこその贅沢ですね。
もうひとつ、栄州でぜひ味わっていただきたいのがコレ。
歴史をひもとけば宮中料理に由来するというテピョンチョ(そば寒天入りキムチ鍋)は、素朴な味ながら栄州ではおばあちゃんの味と懐かしまれる伝統料理です。これを食べることによって栄州という土地柄を、胃袋から理解していただけると確信しております。
その栄州からひとつ南に下ると、観光地としても有名な安東に到着。
朝鮮時代の両班村である河回村(ハフェマウル)の近くに、地元の町長さん(正しくは豊川面の面長さん)オススメの店がありまして、そこで郷土料理の安東チムタク(鶏肉と野菜の醤油煮、찜닭)や、カンコドゥンオ(塩サバ、간고등어)を食べる予定です。
鶏肉ほろほろのチムタクもさることながら、この安東という町の塩サバは脂が乗っていてうまいんですよねぇ。チョングッチャン(韓国式の納豆汁、청국장)も有名なお店なので、お昼からずらり大盤振る舞いでいきたいと思います。
安東から青松を経て、浦項(ポハン)に抜けるのが今回のルート。浦項といえば港町として有名ですが、その前にどうしても立ち寄りたかったのがここです。昨年の3月、韓国の某兄さんに呼ばれて視察に行った山中奥深くの味噌蔵。詳細については以下の記事が詳しいです。
コリアうめーや!!第290号
https://www.kansyoku-life.com/2013/04/1513.html
「自然と歳月以外は何も入れていません」
というキャッチコピーを掲げる「竹長然(チュッチャンヨン)」では、テンジャン(味噌)の原材料も大豆、塩、水で以上というきっぱり具合。
ここで2000個の甕を見学しながら……。
こんなイメージのお昼ごはんをご馳走になろうと。
これ飲食店の料理じゃないんですよ。飲食店すらないような山の中なので、社員の方のご自宅で振る舞っていただいた料理。「竹長然」の味噌、醤油、コチュジャンを使いつつ、地元でとれる山菜、野菜、キノコなどを料理したもので、まさしくこれが家庭の味です。
見学ついでにお願いしたら、今回のツアーでも食べさせていただけることになりました。たいへん貴重です。もう1度言います。本当に貴重です。
そんな浦項における山の魅力を楽しんだら、海の幸も満喫。夕食のズワイガニも東海岸ならではの名物ですが、個人的に注目しているのがアワビ。
韓国でアワビといえば全羅南道の莞島(ワンド)が有名ですが、最近は浦項での養殖もずいぶん進んでいるそうです。生産地の一極集中は台風などの自然災害に遭ったときに致命傷となるので、その分散という意味もあって浦項でも力を入れることになったとか。
そのアワビを朝食にお粥でいただく予定ですが、このあたりは来月にでもまた下見に行ってこようと思います。エリアとルートはほぼ確定していますが、ギリギリまで細部を煮詰めて、みなさんに美味しいものを食べていただくつもりです。
最後はウニ丼。
ウニというと夏のイメージがありますが、機張(キジャン)のバフンウニは11~2月が旬。これを5~8月が旬のムラサキウニと組み合わせつつ、ごはんに盛り付けて食べるのが機張名物のアンジャングバプ(ウニ丼、앙장구밥)です。
ごはんの下にはゴマ油が忍ばせてあり、日本のウニ丼ともまた異なります。どんぶりを埋め尽くすウニの甘さと、とろとろ加減は、それこそ天上にものぼるような美味です。これが最後の食事になりますので、陶酔したまま夢心地でご帰国いただけること間違いなし。
さて、そんな感じの3泊4日全10食。
もちろん僕も全行程に同行し、うっとうしいほどに熱く蘊蓄を語ります。
なお、三進トラベルの「まんぷくツアー」はおひとり様も大歓迎。常連のおひとり様もずいぶん多いですし、みなさん韓国とグルメに関心の高い方ばかりなので、すぐ打ち解けて仲良くなれます。ぜひ、気軽にご参加ください。
詳細は以下のページから。日程は11月2日(日)~5日(水)です。
慶尚北道まんぷくツアー4日間/三進トラベル
http://www.sanshin-travel.com/tour/detail.php?sid=1195
また、今回食べる料理は新刊『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』にもいくつか収録されています。お手持ちの方は、P24、P32、P78、P96あたりをご参照ください。
たくさんの方のご参加をお待ちしております!