前編から続きます。
三河島「ママチキン」で開催された精進料理の会。
前編だけで、すでに15品を数えておりますが、
まだまだ折り返し地点、ここから後半へと向かいます。
海印寺(해인사)で修業をしたママさんが作る精進料理は、
予想以上にバラエティに富み、そして超ボリュームでした。
写真がそのママさんで、尼さんらしく頭は剃髪しています。
ちょうどミニ料理教室ということで、
・サムジャン(包み味噌、쌈장)
の作り方を披露しているところ。
僕が普段作るときは材料を混ぜ合わせるだけですが、
ひと手間加え、炒めて作るレシピを教えていただきました。
そして、もう1品。
・マピンデトク(山芋のチヂミ、마빈대떡)
こちらも家庭で手軽に作れるようにとレシピを披露。
山芋の生地にパプリカ、コーンなどが入っています。
こんなイベントも間に挟みつつ。
また料理のほうに戻るとしましょう。
精進料理の基本、ナムルは3種類を盛り合わせに。
・シレギナムル(干した大根の葉のナムル、시래기나물)手前
・チィナムル(シラヤマギクのナムル、취나물)右
・済州島ナムル(済州島でとれた山菜のナムル、제주도나물)奥
済州島ナムルというのがいまもって謎なのですが、
済州島でとれるから、そう呼ぶのだそうです。
仕入れの段階からそう呼ばれているので、詳細は不明。
確かに済州島といえば漢拏山あたりで山菜がとれます。
チィナムルなんかも済州島名物のひとつですが、
済州島ナムルと呼ばれるものは聞いたことがないです。
一応、調べてもみましたが、答えは結局わからずじまい。
どなたかわかる人がいたら教えてください。
個人的には印象的だったのはシレギナムル。
なんでもママのお母さまが送ってくれた手作りのものだとか。
元の野菜がよいのか、あるいは干し方がよいのか、
驚くほどに味わいが濃く、別格に美味しかったです。
普段はチィナムル好きでもっぱらそれを好んで食べますが、
この日ばかりはシレギナムルに手が伸びました。
・ヨングンジョン(レンコンのチヂミ、연근전)
レンコンを粗めにすりおろしたチヂミです。
ジャガイモで作ってもよく似た感じになりますが、
レンコンで作るとより素朴な味わいに。
・スッケトク(ヨモギ餅、쑥개떡)
ヨモギを練り込んで扁平な形に仕立てた餅です。
このあたりになると、もうみんなかなりの満腹状態で、
「これを食べたら残りが入らない!」
と早々に持ち帰りを決意する方もいました。
僕もちびちびと食べていたのですが、意外に後を引き、
気付いたときにはペロリとなくなっていたり。
特に味付けがなされているわけでもないのですが、
ヨモギの香りと米の甘味だけで充分に美味しいです。
・トトリムクムチム(ドングリ寒天の和え物、도토리묵무침)
茶色いのがドングリのでんぷんを固めたもの。
ぷるぷるとした食感と、素朴な風味を郷愁をそそる料理です。
野菜はサンチュとともに生のノビルが使われていました。
ピリッとした刺激がアクセントになります。
・チョンポムクムチム(緑豆寒天の和え物、청포묵무침)
ドングリでなく緑豆のでんぷんを固めたもの。
仕上がりが茶色でなく、青みがかった白になります。
コチラにもノビルが入っていましたね。
・ポムトンムチム(春白菜の和え物、봄동무침)
柔らかな春白菜を浅漬けのキムチ風にしたもの。
そのままサラダ風に食べてもよいのですが……。
一緒に出てきたコチラを包む用でもあります。
・コンゴギ(大豆肉、콩고기)
大豆、クルミ、ピーナッツを練って作った代用肉。
テジカルビ(豚カルビ焼き、돼지갈비)風の味付けで、
食感を除けば、肉を食べているような気にもなります。
見た目は本当に肉っぽいですよね。
・タルレテンジャンチゲ(ノビルの味噌チゲ、달래된장찌개)
先ほども出てきたノビルを味噌チゲに入れました。
一緒に入っているのは、ナムルで絶賛したシレギ(干した大根の葉)。
そして、味噌もママのお母さまが手作りしたものということで、
オモニのテンジャンチゲ、といった風合いの料理でした。
いやぁ、このテンジャンチゲは美味しかったですねぇ。
ママのご出身は慶尚北道青松郡というところですが、
残念ながら僕もまだ足を向けたことがありません。
お母さまの腕ももちろん大きいのだとは思いますが、
1度、青松にもぜひ行ってみたいという気になりました。
……ということで、料理は以上。
実はほかにもまだ準備があったようなのですが、
さすがに食べきれないということで勘弁してもらいました。
最終的な品数は、えーと……。
「26品!」
ということでいいのかな。
いやはや本当に気合いの入った大盤振る舞いでした。
加えて、ミニ料理教室あり、ママの精進料理解説ありと、
内容的にもずいぶん盛りだくさんだったかと。
おかげさまでいい会となりました。
かくして一同解散となったのですが……。
そのまま残った2次会組が僕を入れて数名。
「ママチキンではやっぱりチキンを食べねばならぬ!」
ということでネギチキンをいただいてきました。
ここまでの精進料理はすべて特別料理で普段は出ませんが、
そうでなくとも「ママチキン」はチキンの美味しいお店。
自家製のマッコリ(合法!)も飲めますので、
本来はそちらを目当てに足を運んで欲しいと思います。
店名:ママチキン
住所:東京都荒川区西日暮里1-7-6
電話:03-3801-4156
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