ソウル報告~拡大を続ける「麻薬」ブームの実態に迫る!

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大都会ソウルで根を生やし拡大を続ける「麻薬」の存在。

軽い気持ちで手を出して、とりこになった人は数知れず、
その中には日本人観光客も多く含まれているという。
そんな実態を探るべく潜入調査に踏み切った八田靖史であったが、
ふとした失敗から囚われの身となり……。

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顔に鍼を刺されるという拷問を受けていた。

な、ワケないですね。

ワタクシ先日の出張で初めて鍼治療を体験。
昨年から鼻と喉の調子が悪く、薬を飲んでも効かないので、
京東市場の韓医院に足を運んで鍼を打ってもらいました。

右と左に3本ずつ刺さってドラえもんみたい。

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韓医院の先生いわく、

「キミはあと15kg痩せなさい」

とのこと。

体質改善をしなければ30代はまだなんとかなるものの、
40代、50代になって一気にガタがくると脅かされました。
鼻、喉の問題もそういった体質と密接にかかわっており、
ダイエットの過程に治療の見込みがある模様です。

「炭水化物を減らして節制に努めなさい」
「お酒も極力減らすように。特にビールとマッコリはダメ」
「有酸素運動をして体脂肪を減らす努力もすること」

などなど。

どこの医者にかかっても言われることは同じですが、
ありがたく傾聴し、ダイエット用の漢方も処方してもらいました。
思わず目玉が飛び出るほどのけっこうなお値段でしたが、
僕が無知だっただけで、漢方ってそもそも高いんですねぇ。

「高いお金を払ったんだから、せめて痩せよう」

そんなことを思いつつ、ダイエットにいそしんでおります。
と言いつつ、昨夜も3次会まで飲んでしまいましたが。

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足を運んだ韓医院はココ。

店名:慶熙韓医院(キョンヒハニウォン)
住所:ソウル特別市東大門区祭基洞930-7
電話:02-754-3733

このところ関西方面でメキメキと活躍の幅を広げている、
韓方美容家のユヒャンさんにご推薦いただきました。
日本語の通じる韓医院としてたいへん有名なのだとか。
詳しいところは、ユヒャンさんのブログをご参照ください。

■●ソウルのオススメ韓医院〜慶熙韓医院ご紹介編〜●■
http://ameblo.jp/yoohyangooo/entry-11671636405.html

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さて、そんな鍼体験を経て、いよいよここからが本題。

冒頭の妙な「麻薬」ストーリーは本来鍼の話とは関係なく、
京東市場の最寄り、祭基洞駅前で食べられる豚焼肉が……。

「麻薬コギ(마약고기)」

と呼ばれているという部分にかかっています。
韓国語でも麻薬の発音はマヤク、コギは肉という意味です。
ある程度、韓国料理に詳しい方なら、

「麻薬キムパプ(海苔巻き、마약김밥)」

のことをご存じですよね。
ソウルの広蔵市場名物として日本人観光客にも知れ渡った、
カラシ醤油で食べるひと口大の海苔巻きを指します。

1度食べると、その美味しさからついまた食べたくなり、
中毒性があるということから「麻薬」の俗称で呼ばれるように。
いつしかそれが定着し、韓国語では、

「麻薬=ヤミツキ度の高い美味しさ」

を表すようになりました。
いまでは麻薬を冠する料理が乱発的に増え、

・麻薬トッポッキ(甘辛の餅炒め、마약떡볶이)
・麻薬コプチャン(ホルモン炒め、마약곱창)
・麻薬テンジャンチゲ(味噌チゲ、마약된장찌개)
・麻薬チムタク(鶏肉と野菜の蒸し煮、마약찜닭)
・麻薬チキン(フライドチキン、마약치킨)
・麻薬パン(パン、막약빵)

といった亜種が誕生しております。

麻薬の定義など、当然のごとく決まっちゃいませんが、
だいたいの傾向を見るに、個性の強いB級を指す感じですかね。
現在進行形で「麻薬」ブームは拡大中です。

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麻薬コギの場合は、この振りかける粉がポイント。

下味になるものですが、厨房で振りかけておくのではなく、
客の前でわざわざ振りかける、という演出が喜ばれています。
これが豚のうまさを引き立て、中毒性をもたらすとして、
いつしか常連客の間で、麻薬コギと呼ばれるように。

本来は「チュモクコギ(げんこつ大の塊肉)」という名称で、
店名も同様でしたが、昨年末の移転を機に店名も麻薬コギに変わりました。

このあたりの変わり身はいかにも韓国らしいといえますね。

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せっかくなので粉だけもらって味見。

何が入っているかは企業秘密ということでしたが、
一緒に行ったみんなで分析したところ……。

・塩
・コショウ
・うま味調味料
・エビ粉末
・漢方粉末

といったところまで確認できました。
エビ粉末なんかは、よくわかったなと思いましたが、
発見した人いわく、

「尻尾の破片が混ざっていた」

とのこと。
味よりも目を凝らすことで見えてくるものがあるようです。

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なお、麻薬コギもこちらの本を参考に行きました。

ソウル食べ尽くし リターンズ!
(ファン・スンジェ著、実業之日本社)

ただ、店名の変更と移転が出版作業の後だったようで、
本の中には旧称の「チュモクコギ」で掲載されております。
現在の看板は「麻薬コギ」になっているのでご注意ください。

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麻薬コギを食べ終えた後は2次会へ移動。

P52に掲載されているド迫力のチョゲチム(貝蒸し)です。
これで中サイズですが、4~5人は充分に食べられそうな量。

メインであるホタテ、ハマグリ、アサリ、タイラギなどのほか、
串に刺したオデン、丸茹でのイカ、ゆで卵まで入っています。
ハサミでカットしているのはカレトクと呼ばれる餅ですね。

巨大な山を掘り崩すようにして貝を食べ、焼酎を飲み……。

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シメはメセンイ(カプサアオノリ)の入ったカルグクス(韓国ウドン)。
これが酔った舌に心地よく、大満足でずるずるとすすりこみました。

「やっぱりこのグルメ本にハズレなし!」

などと大喜びしておりましたが、
よくよく考えてみるとこの時点で、

「炭水化物を減らして節制に努めなさい」

という先生の指導をもう忘れておりますね。
あまりにも茫洋としてはるか遠いマイナス15kgへの道。
次は鍼を鼻でなく、口に縫い付けるべきなのかもしれません。

<関連記事>
ソウル報告~2014年最高のソウルグルメ本はコレだ!
https://www.kansyoku-life.com/2014/03/4412.html

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