2014年最高のソウルグルメ本が決定。
まだ3月ですし、そもそも最高の基準も僕の独断ですが、
そう言い切ってよいと思えるぐらいのグルメ本が出ています。
ソウル食べ尽くし リターンズ!
(ファン・スンジェ著、実業之日本社)
すでに他ブログなどでもだいぶ褒めちぎられていて、
かなり出遅れた感はありますが、これだけは書いておかねばと。
なにしろ、2月の韓国出張ではこの本を片手に、
「6軒!」
の店を食べ歩いて、いずれも大満足だったのです。
ソウルで美味しいものを食べたい人……というよりも、
ソウルで美味しいものに飢えている人、にオススメしたいですね。
こちらの本、オーソドックスなグルメガイドとは異なり、
かなりの上級者向け、骨のある作りになっております。
取り上げているエリアが明洞とかの主要観光地でなく、
地元民御用達のローカルな地域ばかりで構成されています。
従って、
「ぬ、この冷麺うまそう! ……だけど峨嵯山か(遠いな)」
「じゃあ、キムチチゲ! ……と思ったら岩寺か(さらに遠いな)」
「ならば、スンデクッ! ……は仏光か(つーかどこだそれ)」
というようなことばかりが起こります。
観光客にとってアクセスのいい店もあるのですが、
料理主体で選ぼうと思うと、立地は二の次になります。
つまりは美味しいもののためなら、遠くまでの移動もいとわない。
そんなコアなグルメファンに向けた本だと思ってください。
まあ、大喜びするのは僕みたいな人ですね。
著者と出版社がここまでの本を作るというのであれば、
読者としても全力で応えに行くのがスジというもの。
なので、いちばん見慣れない地域から選んで行きました。
ソウルに留学生として住み、ガイドブックにも携わる身ながら、
正直言って、仏光なんて地名は聞いたことすらなかったです。
たぶん、皆様もいま「ぶっこう」と読んでいるでしょうが、
「プルグァン、불광」
という韓国語読みを覚えてください。
足を運んだのはP86に掲載されているお店。
全ページを舐めるように熟読した僕の感想ですが、
全編を通していちばん著者の熱意を感じたのがココでした。
「スープを口に入れた途端、ある種の衝撃が走った」
「味わいの調和、見事な食感にただただ感動するのみ」
「ソウルのスンデを語るうえで、絶対に外せない名店の発見」
熱意がこもりすぎたのか、スンデが何かも語られていませんが、
そのぐらい一心に、お店の素晴らしさが語られていてグッときます。
余計なお世話ですが、一応料理の説明としてはこんな感じ。
・スンデ=野菜やもち米、豚の血液を具とした腸詰め
・スンデクッ=スンデや豚の内臓を具としたスープ
事実、お店は異常なぐらいの熱気と大混雑でしたし、
食べての感想も、熱意がこもるのに充分納得できるレベル。
そして、いちばんの特徴は量ですね。
途中の写真ですが、スープだけ飲んだ訳では決してなく、
むしろかなり具のほうを食べ進んだのにこんな感じ。
惜しむらくは、いちばん上に載っていたスンデが2切れのみで、
絶品だったにもかかわらず、その後出てこなかったことでしょうか。
それを知っていれば、もう少し大事に味わったものを……。
次回、行くことがあれば、まず最大級に腹を減らしたうえで、
皿盛りのスンデと、スンデクッの具を肴に焼酎を飲まねばですね。
ひと通り楽しんだ後に、ごはんと汁をすすりたいものです。
そんな反省点を残しつつ、さらなる後悔もあったり。
仏光エリアで紹介されている2軒のうちのもうひとつが、
P95にある「肉まんとあんまんの激ウマ店」です。
記事ではスンデクッを食べた後に、
「帰途のおやつに立ち寄るのはいかがだろう?」
とあるのですが、無理。絶対無理。
スンデクッだけでも相当な分量があるうえに、
こちらの肉まん、あんまんも、
「かなりの大きさのものが5個」
でワンセット。
よっぽどテイクアウトをしようかとも思いましたが、
5個も食べ切る自信がなく、結局断念しました。
いずれまたスンデと焼酎を目掛けていくときは、
事前に買っておくぐらいの気持ちで臨みたいたいところです。
あるいは5人のメンバーを募って行けばちょうどいいかも。
個人的にいちばん衝撃だったのがコチラ。
馬場洞畜産市場内にできた持ち込み自由の飲食店です。
ソウル市や城東区、畜産市場などが協力して作った店で、
市場内で購入した肉を、そのまま持ち込むことができます。
これまでも魚市場ではこうしたシステムがありましたが、
畜産市場で、しかも個人の店がやるのではなく大々的にというのは、
ちょっと盲点をつかれたぐらいに画期的な試みです。
本に載っていた店と、まったく同じ店に立ち寄り、
「この本を見て来ました!」
としっかり報告をしたうえで牛肉を購入。
ちなみにスンデクッの店でも同じことをしましたが、
そういうお客さんがいると書き手の株が上がります。
なので、「るるぶ」を買った皆様もぜひ!
右下、韓牛の6部位盛り合わせが400gで3万5000ウォン。
席料が1人4000ウォン×2と、テンジャンチゲ(味噌チゲ)が2000ウォン。
レバ刺し、センマイ刺し、チャドルバギ(薄切り牛バラ肉)2パックが、
なんとも剛毅なことに「サービス!」だったので……。
「合計4万5000ウォン!」
激安値段で韓牛の焼肉を楽しむことができました。
先日の記事でも書きましたが、三進トラベルのツアーでは、
この本を参考にして最終日のランチにこちらの店を利用。
みなさまにもたいへん喜んでいただきました。
そのほか、P76に出ているコチラの店や……。
P81に出ているコチラのお店もよかったですねぇ。
残り2軒は次回の記事に後編として書く予定ですが、
ここまででも4軒食べ歩いてハズレなし。
であれば、
「この本に出ている店は信頼がおけます!」
と語ってよいのではないでしょうか。
なお、ここまで力一杯褒めちぎっている裏には、
編集者さんがお友達という大人の事情もあったりしますが、
決してお世辞ではなく、正直な評価のつもりです。
このブログを読んでいる人ならきっと楽しめるはず。
ぜひ、次回ソウル旅行の参考にしてみてください!
ソウル食べ尽くし リターンズ!
(ファン・スンジェ著、実業之日本社)
<関連記事>
三進トラベル「ぐるぐるグルメ感謝ツアー」後記(前編)
https://www.kansyoku-life.com/2014/02/1782.html
三進トラベル「ぐるぐるグルメ感謝ツアー」後記(中編)
https://www.kansyoku-life.com/2014/02/1784.html
三進トラベル「ぐるぐるグルメ感謝ツアー」後記(後編)
https://www.kansyoku-life.com/2014/02/1786.html
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