昨年あたりから新大久保はサムパプ専門店が急増。
と書いて、いつも悩むのが料理名の日本語訳です。
韓国語では「쌈(サム)=包む」「밥(パプ)=ごはん」なので、
僕の場合、「葉野菜の包みごはん」といった訳をつけます。
葉野菜が主役なので、たくさんの包み野菜を用意し、
また、ごはんだけでなく、メイン料理として焼肉なども並びます。
小皿料理をたくさん用意したり、味付け用の塩辛に凝ったり。
葉野菜と包み素材の組み合わせを楽しむ料理といえましょう。
ただし、これが新大久保をはじめとした日本においては、
たくさんの葉野菜と焼肉の部分が拡大されて定着。
「サムパプ=葉野菜をたくさん用意した焼肉」
という公式ができあがり、ごはんは重要でなくなりました。
加えて、名前のほうも呼びやすく日本語風に、
「さんぱ」
と呼ぶケースが多いようですね。
現在、新大久保で流行っているのはこのタイプ。
「菜彩厨房さんぱ家」はその先駆けともいえる存在であり、
2005年12月オープンと、界隈ではすでに古株です。
そんな「さんぱ家」に繰り出したのは1月下旬。
ずいぶん長いこと記事にせず寝かしてしまいましたが、
大事なお知らせがあったので、遅くはなっても書くことにしました。
冒頭の写真は前菜として出てきた海鮮サラダ。
この日は予算を決めて、料理のほうはお任せだったのですが、
いつもとは様子が異なり、ひとり1皿ずつ料理が出てきます。
キムチの盛り合わせも、少量ずつ分けてひとり1皿。
韓国海苔も数枚ずつ、ひとり1皿。
海鮮チヂミとキムチチヂミも、ひとり1皿。
取り分ける必要がないのは便利でいいですが、
いったいこれ、どういう趣向なんですか?
と尋ねたところ、こんな訳がありました。
「ウチ2月から韓国居酒屋に業態変更するんです」
「ええっ!」
なんと、びっくり衝撃の展開。
オシャレな盛り付けで出てきたのはトトリムク。
ドングリのでんぷんを固めてサラダ風に仕立てた料理です。
「じゃあ、さんぱは止めちゃうんですか!?」
「いや、そのへんの料理は続けながら」
ということだったのでひと安心。
周辺にもさんぱを出す店が増えてきて差別化が必要になり、
注文しやすい低価格帯、小ポーションの料理を増やすのだそうです。
ああ、なるほど。
ということでチャプチェ(春雨炒め)もひとり1皿。
トッポッキ(甘辛の餅炒め)もひとり1皿。
「ひとり1皿だと茹で卵でケンカしなくていいですね!」
なんて話でも盛り上がったり。
チムタク(鶏と野菜の蒸し煮)もひとり1皿。
コルベンイムチム(ツブ貝の和え物)もひとり1皿。
韓国風のフライドチキンもひとり1皿。
オジンオボックム(イカ炒め)もひとり1皿……。
といったあたりで、伝わるものがあるかと思いますが、
小ポーションとはいえ、これだけ出てくるとかなりの満腹。
たぶん業態変更前のいいタイミングで行ったので、
これ幸いと実験台になっていたのかもしれません。
いや、もちろん楽しませていただきましたが。
さすがにヘムルタン(海鮮鍋)は全員でシェア。
大勢でシェアできる韓国的なよさも残しつつ、
ひとり客、ふたり客でも楽しめる仕組みということでしょう。
最後はデザートまでいただきました。
ちなみにこの業態変更は2月13日から始まっており、
メニューの構成も大幅に変わった模様です。
上記の写真と実際の新メニューは異なるはずですが、
やろうとしていることは、大部分で伝わることと思います。
詳しくはお店のホームページをご覧ください。
菜彩厨房さんぱ家
http://www.sanpaya.com/
実際にホームページの新メニューを見ても、
「カルビ串(2本)で320円!」
なんてお得メニューがけっこうありますね。
韓国料理を居酒屋的に楽しみたいという人にはよいかと。
あるいは従来のさんぱをメインとして頼みながら、
あれこれサイドメニューを注文するのもアリだと思います。
店名:菜彩厨房さんぱ家
住所:東京都新宿区大久保2-19-1セントラル大久保ビル地下1号
電話:03-5292-6954
営業:11~15時、17~24時(日祝11~23時)
定休:なし
http://www.sanpaya.com
3 Responses to 新大久保「菜彩厨房さんぱ家」が本格韓国居酒屋に。