三進トラベル「ぐるぐるグルメ感謝ツアー」後記(中編)

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前編から続きます。

「黒田福美&八田靖史と行く ぐるぐるグルメ感謝ツアー」は、
初日の坡州(パジュ)、2日目朝の大明港(テミョンハン)経て……。

「江華島(カンファド)!」

へと向かいます。

江華島はソウルの西にあって、韓国で5番目に大きな島。
行政上は仁川広域市に属し、周辺の島嶼を含めて江華郡を構成します。
今回の旅では、この島こそがメインとの扱いだったのですが、
食べるものもさることながら、歴史的な見どころが多いのです。

ざっと江華島の特徴をあげても……。

・神話上の始祖、檀君が初めて降臨した摩尼山がある
・世界遺産に指定された江華支石墓がある
・韓国最古の寺院とされる伝燈寺がある(381年創建)
・高麗時代に元の侵攻を受け、一時は高麗の都となった
・近代に入っては一時フランス、アメリカに占拠された
・日本の軍艦が砲撃し武力衝突が起こった(江華島事件)
・北部は北朝鮮との距離が近く民間人統制区域がある

などなど。

島内に各時代の歴史がギュッと詰まっています。

これらのいくつかをぐるぐると観光しつつ、
特産品である高麗人参の市場や、五日市場なども巡りました。

お待ちかねの昼食はチョックッカルビ。

たぶん相当韓国料理に詳しい人であっても、
江華島に精通していなければ知らない料理でしょう。
韓国人であったとしても、

「なにそれ?」

という人は多いはず。
チョックッが塩辛のスープを指し、カルビは豚カルビ。

「豚カルビの塩辛鍋」とでも訳しますかね。

ぶつ切りにした豚カルビと、野菜、豆腐などを具としつつ、
江華島の特産品であるアミの塩辛で味付けをした鍋料理です。
澄んだスープは豚肉とアミの塩辛から実にいいダシが出て絶品。
煮込まれた野菜も本当に甘くて美味しかったですね。

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そして、もう1品はムッパプ。

ドングリのでんぷんを固めたトトリムクに煮干しダシを注ぎ、
刻んだキムチと刻み海苔、刻みネギ、ゴマなどの薬味をたっぷり。
シンプルながら、ほっとする懐かしい味わいの料理です。

好みによっては、ここにごはんを投入したりもします。

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その後、フェリーに乗って離島の席毛島(ソンモド)へ。

韓国においてフェリーに乗る場合、絶対的に欠かせないのが、
カモメにセウカン(かっぱえびせん)をあげるという自主イベントです。
韓国人なら誰もがやります。全国どこでも必ずやります。

エサがもらえることを知っているカモメは、
フェリーが出航した瞬間から、甲板べりをぐるぐる旋回。

「えいっ!」

と放り投げても、タイミングよくキャッチしますし、
先端をつまんで天高く掲げていれば、バシッと持っていかれます。
ただし、時折り手をつつかれたりもするのでご注意を。

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席毛島の普門寺(ポムンサ)も635年創建と歴史の長い寺。
420段ほどの石段を頑張ってのぼると、荘厳な磨崖仏に出合えます。
みんなでゼーハーいいながらお参りした後は……。

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カニ!

そう、江華島といえばワタリガニの産地としても有名です。

右下のコッケタン(ワタリガニ鍋)にはカボチャが入り、
ワタリガニのうま味と、卵の濃厚さを、絶妙の甘さでまとめます。
ちょっと濃いめの味噌仕立て、というのがまた相性抜群でしたね。

そして左上はカンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)。

これまでのまんぷくツアーでも何度となく登場しましたが、
そのたびに参加者皆様の心を魅了する鉄板のひと品です。

やや小ぶりなワタリガニではありましたが、
身は新鮮そのもので、内子(未成熟卵)もしっかり。
薬味醤油に高麗人参が入っているのも江華島らしさですね。
ほんのりとした漢方の風味が隠し味になっていました。

ツアーの最後にいつも美味しかった料理を尋ねるのですが、
このコッケタン&カンジャンケジャンをあげた人は多かったです。

その後、また大明港まで移動して温泉付きのホテルに宿泊。

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翌朝、再び江華島入りし、朝食はコンボリパプでした。

麦飯のごはんに、お店の方が育てた野菜のナムルを載せ、
自家製コチュジャンとゴマ油を加えてビビンバ風に楽しむ料理。
素朴ではありますが、家庭的な雰囲気にほっこりしました。

この写真にはありませんが、シレギクッ(干し野菜の味噌チゲ)とか、
コンビジ(おから)とか、脇の料理も絶品だったんですよね。
写真に見えている中でも、左下にあるスンムギムチ(カブのキムチ)とか、
辛くない種類の青唐辛子を味噌で和えたものとか、みんな美味しい。

前夜のカニ料理とともに、

「3日目朝のコンボリパプが美味しかった!」

という方もたいへん多かったです。
この両者がツートップで甲乙つけがたいぐらい。

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午前中にもう少しだけ江華島の南部を観光して、
早くも最後の目的地である仁川市内へと移動。

最初に目指したのは新浦市場(シンポシジャン)でした。

1883年に開港以来、多くの外国人が移り住んだ仁川で、
外国人向けに高級野菜を販売したのがこの市場の始まり。
チャイナタウンの裏手にあって、中国テイストが溶け込んでおり、
こんな感じに色とりどりの餃子、中華まんを販売しています。

韓国に詳しい人であれば、

「チェーン店のシンポウリマンドゥはこの新浦市場が発祥!」

という小ネタにもなるほどと頷けるはず。

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中国ルーツのコンガルパン(中が空洞になった焼き菓子)も、
新浦市場らしい一品として、名物のひとつになっています。

こうやって焼いている姿というのは初めて見ましたね。

焼き場の上に載せている平べったい生地がもともとの形で、
これを回転させながら焼くことでパンパンに膨らみます。
バリッと割って食べると、砂糖主体のレトロな甘さが広がります。

そのほかタッカンジョン(鶏の蜜揚げ)などもこの市場の名物。
さほどの規模ではありませんが、グルメの魅力はなかなかです。

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最後の食事はコイツ。

お店の方がパフォーマンスとして出してくれました。
仁川といえば馬山(マサン)と並ぶアンコウの名産地ですが、
生を食べられるのは、11~2月だけの短い旬だけです。

仁川方言でムルトムボンとよばれるアンコウを鍋仕立てと……。

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変化球的な一品としてペクスク(白蒸し煮)で賞味。

一般的にアンコウの蒸し煮といえば真っ赤で辛いのですが、
それを中華料理風の白いあんかけに仕立てたものです。
ワタリガニ、コンボリパプと並んでこれも人気でしたね。
さすがは旬の素材といったところでしょうか。

さて、以上をもって2泊3日のツアーは無事終了。

最後はマートで買い物をして仁川空港と金浦空港へ。
さあ帰国というところで、なんと……。

「大雪のため飛行機が欠航!」

という驚愕の事態に陥りました。

いえ、仁川から中部空港、関西空港などは飛んだのですが、
金浦からの羽田空港行きが飛ばなかったんですね。
やむなく羽田組の方々は、もう1泊して翌朝の帰国に。
予定外の延泊をなさった方は、本当にお疲れさまでした。

一方、このツアーは予定通りの延泊という方もいらして、
ソウルでの3泊目と、夜朝昼の3食をオプションで用意していました。
約半数の方が、そのまま残ってソウルを一緒に満喫。

その話はこのまま後編へと続きます。

三進トラベルサービス
http://www.sanshin-travel.com/
本ツアーの主催元。少人数での韓国地方旅行にも対応してくれます!

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