韓国料理店が抱える悩みのひとつに「夏のランチ」があるそうです。
僕なんかはまずサムゲタン(ひな鶏のスープ)を思い出しますが、
夏に熱いスープというのは、韓国通でなければ敬遠される様子。
まだまだ「夏=サムゲタン」の公式は広く周知されておりません。
ランチの定番となるチゲ系の料理は、いずれも冬はよいのですが、
真夏に食べるとなると、やっぱり手が伸びにくいもの。
すると、冷たい料理から、
・冷麺
・コングクス(豆乳麺)
・チョルミョン(サラダ風混ぜ麺)
・ピビムミョン(混ぜ素麺)
あたりが候補としてあがってきますが、
今度はこれだけだと物足りないという意見が出てきます。
ごはんものをセットにつけたりはするようですけどね。
あとはサラダビビンバあたりを出す例もありますが、
なんか当たり前すぎて、ぐっとくるものがない。
「なんかもっと斬新な夏のランチないですか!」
と問われるたびに悩みつつ、結果として出てきたひとつが、
韓国料理をカレーにする、というアイデアだったりします。
「夏=カレー」の公式であれば、充分浸透していますからね。
で、その例としてよくあげていたのがコチラのお店。
ただ、僕自身実際に食べたことはなく、
いつかは食べなきゃなぁ、と思っていた宿題の一品でした。
「元祖カムジャタンカレー!」
というインパクトはそれだけでぐっときます。
これを思いついた人は本当にエライ。
もともとこの新橋「草の花」というお店は、
看板料理がカムジャタン(豚の背骨とジャガイモの鍋)。
そこにカレーを加えてランチ化したメニューです。
とはいえ、レギュラーメニューにカレーカムジャタンもありますし、
新商品としてトマトを入れたトマジャタンというのもありました。
カムジャタンを多方面からアレンジしているお店といえましょう。
写真ではちょっとわかりにくいですが豚肉のアップ。
背骨ではなく、バラサキと呼ばれる部位を使っているようです。
バラ肉の先っぽにあって、ナンコツを含んでいます。
コリコリ食感を楽しむ部位ですが、煮込むことでとろとろに。
豚の背骨よりも食べやすいので、これを使うのもアイデアですね。
あとは大きなジャガイモがゴロゴロと入っていますが、
そもそもが豚とジャガイモなので、カレーとしてはごくごく自然。
そこにエゴマの粉が入って、カムジャタンらしさを演出します。
ごはんの上にエゴマの葉が1枚載ってきたので、
どう使おうか悩みましたが、とりあえず包んでみました。
ちぎってカレーに投入という選択肢もあるんですかね。
韓国料理をカレーにする、というのは言葉こそ面白いですが、
実際やってみると、カレーはほとんどの料理を飲み込んでしまいます。
カレーでありつつ、韓国料理らしさをどのあたりで残していくか。
元となる料理の選択も含めて、そのへんが悩ましいところです。
ただのカレーなら韓国料理店で食べる必要はないですし。
デザートにチョコパイというのもいいですね。
「なんかもっと斬新なランチのデザートないですか!」
というのも本当によく聞かれる質問。
お店の雰囲気にもよりますが、ハングルパッケージのお菓子も、
充分ひとつの模範解答になりうるものだと思います。
うん、カムジャタンカレーそのものも美味しかったですし、
いろいろなアイデアが詰め込まれていて、感動的なランチでした。
新橋界隈はいい韓国料理店がずいぶんあるんですよね。
外食の激戦区で生き残るには、どこもそれなりの理由があるもの。
新大久保ばかりをウロウロしていてはいかん、と改めて反省しました。
いずれまた、夜にトマジャタンも食べてみたいもの。
韓国料理とトマトの関係も、伸びしろが期待できそうな分野です。
店名:草の花
住所:東京都港区新橋4-6-2
電話:050-5798-8639
営業:11:30~15:00、17:00~23:00(月~金)、16:30~23:00(土、日、祝)
定休:なし
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