韓国の飲食店における看板観賞のススメ。

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朝起きたら、首を寝違えていて身動きがとれません。
取材にも行けないし、原稿を書くにも集中できないので、
お遊び企画のような記事を書いてみたいと思います。

「韓国では飲食店の看板を観賞すべし!」

というのが本日伝えたい主張のすべてです。
あまり内容があるとも思えませんが、ご笑覧頂ければ幸いです。

まず、冒頭の写真はソウルの奨忠洞で撮影した、
老舗チョッパル(豚足)専門店の看板。

ハングルが読めない人には申し訳ありませんが、
観賞ポイントとしては、店名の上に赤地白ヌキで書かれた、

「元祖の元祖」

という文字でしょう。
韓国では看板にハクをつけるために、

「元祖」

という文字をよく刻みますが、周囲に類似店が多いと、
どの店も「元祖」を掲げて、意味がなくなってしまいます。
そこで考案されたフレーズが、

「元祖の元祖」

お店のプライドがダブルの元祖に込められているようです。

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あるいはもうひとつ有名店のケースですが、

「本当の元祖」

という表現もあったりします。
ほかにも元祖を名乗る店があるかもしれないけど、
「本当の元祖」はウチだよ、という主張がよく出ています。

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そして、もうひとつよく見るのが創業年の表記。

韓国では老舗が少ないため、20年、30年も営業していれば、
充分に歴史を持った店として、認められる傾向にあります。
ただ、この写真のように創業年を示す場合はよいのですが……。

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たいていの店は写真の右上にあるように、

「50年伝統」

という表現で老舗らしさを表現します。
50年の伝統がある店という意味ですね。

ただ、よーく写真を見て頂きたいのですが、
写真中央下の垂れ幕には「60年伝統」と書かれており、
その左には「開業62周年」とも書かれています。

看板に「○○年伝統」と大きく書くのはいいのですが、
そうそう看板って、毎年かけかえるものではないですよね。
律儀な店でも、10年ごとにかえるぐらいでしょうか。
もはや何年前から「○○年伝統」なのか、わからない店も多々あります。

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そういう理由からか、最初から「○○年」の部分を放棄した店も。

「何十年伝統」

という書き方には、むしろ潔さすら感じます。
それが20年なのか、30年なのか、あるいは50年以上なのか、
見ただけではわかりませんが、何十年かの伝統はあるようです。

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あるいは、

「この店で32年」

というような主張も見ることができたり。
まあ、途中で移転するような店も多いですからね。
地元で愛されて32年という主張には力強いものがあります。

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別の角度から、店の伝統を掲げるよりも、
来店した有名人の名前でアピールする店もあります。

「盧武鉉大統領が召し上がったクッパプ店」

ということで、大統領が来るほどの有名店ということ。

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あるいは取材に来たテレビ番組の名前を掲げる店も多いですね。
しばらく前なら「VJ特攻隊」や「味対味」が多かったですが、
最近だと「1泊2日」のロケ地アピールをよく見かけます。

テレビが取材に来る店なら、間違いないはず、という作戦ですね。
僕自身も目安にすることがあるので、やっぱり効果はあるのでしょう。

そんな中、ソウルでたまたまみつけた……。

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こちらの店は、開き直って堂々としていました。

「TV放映に出ていない店」
「元祖、伝統ではない店」

ある種の皮肉も混ざっているのかもしれませんが、
逆に目を引く、という効果があるようです。

その脇にはきちんと、

「路地中でいちばん安くてうまい店」
「2階個室200席宴会席完備」

というその店ならではのウリも書かれていました。

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さらにはこんな店もありますけどね。

釜山の南浦洞にある、日本人観光客には有名な店。
トンカツ専門店ということで、日本語が大きくなっており、
その下で同様のコメントが韓国語でも書かれています。

行くたびに目にするのですが、まだ入ったことはありません。
美味しくなかったとしても、払わずには帰りにくいですし。
まあ、こうやって目を引くだけでも店としては大成功なのでしょう。

という感じに、いろいろ並べてみました看板特集。
観賞する面白さが、少しでも伝わりましたでしょうか。
町を歩けば、いくらでも転がっているものなので、
ハングルが読める方は、ぜひ注目してみてください。



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