京都「足立音衛門」の栗のテリーヌ山清。

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このブログでも何度か書いてはきましたが、
韓国料理の大きな弱点に、スイーツという分野があります。
日本の韓国料理店が必ずぶち当たる、

「デザートに出す定番料理がない!」

という部分にも直結する問題です。
例えば、中華料理における杏仁豆腐のような存在ですね。
手軽に最後を締めくくるものがありません。

そのため韓国料理店のランチでは、韓国とは無関係に、
マンゴープリンなんかが、よく出てきたりします。

伝統餅や韓菓を用意するには手間がかかりますし、
ホットク(蜜入りお焼き)などの粉物系はデザート向きではない。
あとはド派手にパッピンス(カキ氷)を用意してみるか、
あるいはナシやリンゴなどの果物でお茶を濁すか。

僕も仕事柄、

「韓国的なスイーツやデザートはありませんか?」

とよく聞かれるのですが、
これがまた悩ましく、たいていはビシッと答えられません。

唯一、日本でも韓国でも少しずつ増えているのが、
既存の西洋スイーツに、韓国要素を足すという手法ですね。
高麗人参プリンとか、五味子のカップケーキとか。
この方法であれば、組み合わせ次第で可能性は無限に膨らみます。

そして、もうひとつ。

今回、新たな可能性を感じてネットで購入したのが、
冒頭の写真、京都「足立音衛門」の栗のテリーヌ山清です。

決して、コンビニで買った恵方巻きじゃないっすよ!

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見ての通り、きちんとハングルも書かれています。

ちなみに山清(サンチョン)というのは慶尚南道山清郡のこと。
そこでとれた栗を使っているため、商品名も山清になっています。
僕も初めて知りましたが、山清郡は韓国でも栗の名産地なのだとか。

また、栗のテリーヌとなっておりますが、実際はパウンドケーキ。

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パウンドケーキから今にもあふれ出しそうな栗。
一切れに、その存在感・満足感を得られることから、
このパウンドケーキをフランス料理にちなんで
テリーヌと名付けました。
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という説明がお店のページにありました。
ほかにも丹波産、イタリア産、韓国の扶余産といった栗が使われ、
それぞれの商品名で販売されているようです。

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包みを開いてみると、中はこんな感じ。
たっぷり栗が入っているので、ずっしりと重たいです。

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どうですか、このゴロゴロ具合。

パウンドケーキの具として栗が入っているというよりは、
大量の栗をケーキの生地でつなぎとめている感じですね。
ラベル表示を見ると、イタリア産も一部使われているようですが、
この栗が韓国から来たと思うと、なかなか感慨深いです。

低糖度のシロップ煮にされた栗は自然な甘味でホクホク。
ケーキの部分はブランデーが効いており、甘さも強めですが、
それがどっしりとした食べごたえにつながっています。

また、栗以外の素材にも、ずいぶんこだわっている様子。
讃岐和三盆糖とか、ラヴィエット社のAOC認定発酵バターとか
粟国の塩とか、いろいろなブランド素材が使われているそうです。

従って、これ1本のお値段……。

「なんと、5980円(税込)!」

いやあ、気軽にほいほい買えるような金額ではないですね。
自宅用というよりは、贈答用などに活躍するのかもしれません。

また、山清産とは別に、丹波栗を使った別銘柄もありまして、
そちらなんかはサイズがほぼ同じで10500円でした。

あとは扶余産を使ったものが、2880円だったので、
そちらだといくらか手が伸ばしやすいかもしれません。
いや、2880円でも充分すぎるほど高級品ですが。

というところまで書いて、ようやくまとめですが、
どんな可能性を感じたのかというと、こういうことです。

・西洋スイーツに「韓国産のブランド食材」を使う

高麗人参のように、それ自身が韓国を主張する素材だけでなく、
質の高い韓国産素材を見つけ、スイーツに応用する道があるなと。
もちろんこの場合の栗が、まったく韓国を主張しない訳ではないですが、
産地までをも全面に出し、ブランド化しているのは驚きでした。

栗のほかに、どのような素材があるかはまだ未知数ですが、
こういう切り口は、もっと模索できそうだなと思った次第。
けっこうな出費でしたが、おかげでいい勉強をさせて頂きました。

ちなみにこの「足立音衛門」はネット通販のほかに、
東京では「銀座松屋店」、また「そごう横浜店」にも出店しているようです。
5月に「エネルギッシュコリア韓流美・味展」のついでで寄れますね。
次は、扶余産を狙うかどうか、真剣に悩みたいと思います。

店名:足立音衛門
住所:京都府福知山市内記44-18
電話:0120-535-400
営業:9:00~19:00
定休:元旦
http://www.otoemon.com/



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