忙しかった1月が過ぎ、2月はいくらかマシ。
1月の段階ではそう思って自分を励ましておりましたが、
予定表を見ると、なんだか大変なことになっています。
12月、1月となかなか更新できなかったこのブログも、
2月で取り戻そうと思っていたのですが……うーん。
オフ会、イベント続きで、その告知、報告記事が多いとはいえ、
食べに行ったお店報告からはだいぶ遠ざかっています。
まともに飲食店記事を書いたのは……2ヶ月前!?
もはや「韓食日記」でもなんでもなくなってきておりますね。
なんとか体勢を立て直し、ペースを取り戻したいと思います。
まずはイベントの報告から。
昨日の「寅年にホランイマッコリを飲む会」も盛況でしたが、
それに先立って行われた「韓日B級グルメ対決」の報告です。
ご来場頂きました皆様、本当にありがとうございます。
トークをご一緒させて頂いたのはB級グルメ界の超有名人。
B-1グランプリ主催団体の顧問も務める野瀬泰申さんです。
本業は新聞記者さんで、グルメ関連の記事を書くとともに、
個人名での著書もたくさん出版しておられます。
日経WagaMaga/食べ物新日本奇行
http://waga.nikkei.co.jp/play/kiko.aspx
野瀬泰申のチャブニチュード判定委員会
http://more.gnavi.co.jp/column1/bn.html
天ぷらにソースをかけますか?―ニッポン食文化の境界線
http://www.amazon.co.jp/dp/4101366519/
ちゃぶニチュード!―日本全国マズイ店列伝
http://www.amazon.co.jp/dp/4344411145/
食品サンプル観察学序説
http://www.amazon.co.jp/dp/4883202216/
眼で食べる日本人―食品サンプルはこうして生まれた
http://www.amazon.co.jp/dp/4751103199/
秘伝「たこ焼きの踊り食い」
http://www.amazon.co.jp/dp/4883201880/
全日本「食の方言」地図
http://www.amazon.co.jp/dp/4532164516/
B級グルメの権威を前にどんな話をしたらいいのだろう。
と事前に考えつつ、思いついたのが韓国内での食文化の違い。
冒頭の写真、すぐ上の写真はいずれも釜山で撮ったオデンの写真。
韓国でオデンといえば、釜山が本場とされています。
釜山、統営をはじめとする南部地域は日本から近いため、
日本統治時代に缶詰、練り製品などの水産加工品で栄えたそうです。
日本への輸出が主でしたが、現地での食文化ともそこで融合。
いまも釜山オデンの名声として、残っているという訳です。
なので、釜山でオデンを見ると妙に豪華だったりするんですよね。
ソウルではあまり見ない、コンニャクも頻繁に見かけます。
冒頭の写真はニンジンが串に刺さっていたりもします。
こういった話題から、韓国のオデンは何でダシを取るか。
ダシ用にワタリガニや大根が入っているが、食べるものではない。
頼めば食べられるけれども、おばちゃんに不思議な顔をされる。
子どもの頃に大根をタダで食べていた韓国人は日本に来くると有料で驚く。
といった話へとも発展していきました。
ほかにもいろいろ細かな違いが釜山の食文化にはあり、
ソウルと同じ料理でも、違ったスタイルで食べられていたりします。
この写真はカンチャジャン(とろみをつけないジャージャー麺)ですが、
麺の上に目玉焼きが載っているというのが大きなポイント。
他地域のカンチャジャンよりも、少しお得な印象があります。
かと思うと……。
スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)には卵を入れないのが鉄則。
味が薄まる、というのが大きな理由だそうですが、
初めてこれを体感したときは、非常にショックを受けましたね。
なにしろスンドゥブチゲと卵はセットだとずっと思っていましたので。
スンデ(腸詰め)も全国的には粗塩が定番ですが、
釜山ではそれとともに、味噌ダレが添えて出されます。
むしろ味噌ダレしか出てこないこともありますね。
釜山の人に言わせると、粗塩だけだと生臭くて食べられないとも。
野瀬さんはこうした食文化の違いを見極めるために、
徒歩でその地域を巡りながら、境界線探しをなさっておられます。
東海道を歩きつつ白ネギと青ネギの境界線を見極めたり
糸魚川-静岡構造線にて卵とじカツ丼と洋風カツ丼の境を探索したり。
あるいは食だけでなくポリタンクの色の違いを比べたり。
そういう楽しいことを韓国でもぜひ試してみたいですね。
僕が釜山式だと思っている食文化は、慶尚道エリアでも見られますし、
あるいは隣接する全羅道、忠清道、江原道にも伸びるかもしれません。
かつて済州島でコギグクスという豚骨スープの麺料理を食べましたが、
これも釜山のテジクッパプ(豚スープごはん)が形を変えた料理とも。
日本から近いということも、ひとつの特色になっているでしょうし、
歴史も踏まえつつ、より深い食の姿が見えてくることと思います。
話をしながらも、いろいろなことを考えた実り多き1日でしたが、
トーク全体としては、反省点がこれ以上ないぐらいに山盛り。
野瀬さんの問いに答えられなかったり、話の意図をつかめなかったり、
膨らむべき話も膨らまず、ずいぶんとご迷惑をおかけしました。
今後の糧としつつ、さらに精進を重ねていきたいと思います。
4 Responses to 「韓日B級グルメ対決」満員御礼。