土曜日の午後。この日は原稿仕事ではなく、
校正の仕事をメインに行う日として割り当てていました。
原稿を書く場合は、基本的にパソコンの前から動けないのですが、
校正仕事であれば、調べ物以外パソコンは必要ありません。
むしろ広い机のほうが必要となるので、仕事場よりも、
ダイニングに書類を広げて仕事をする、ということが多いです。
という訳で、午後いっぱいずっとダイニングにいたのですが、
それとともに、せっかくなので料理もすることにしました。
記憶力のいい方は覚えているかもしれませんが、
昨年6月に大阪で、牛テールを買い込みました。
大阪式のコリコムタン(テールスープ)を作ろうと思って買ったのですが、
東京に戻るとやらないもので、冷凍庫にずっと放置した状態。
これではいかん! と半年以上ぶりに冷凍庫から取り出した次第です。
それが冒頭の肉塊。約1.5キロあります。
大阪で買ってクール宅急便で東京に送りました。
大鍋に水を入れて、牛テールを30分ほど煮込み……。
その茹で汁を全部捨て、テールは水でよく洗います。
もっと丁寧にやるなら、煮込む前にテールを水に浸しておき、
血の気や雑味などを抜く、という作業が入ります。
実際に下茹でをすると、すごいアクが出ますし、
煮込んだスープの色も茶色っぽくて美味しそうではありません。
「下茹での過程でダシが出てしまうのでは!?」
とも思ってしまいますが、30分程度では旨味に影響ありません。
むしろ、スープを濁らせる原因にもなってしまうので、
下茹ではしっかりしたほうがいいみたいですね。
テールの量が多いので、鍋ふたつに分割します。
巨大な寸胴鍋が欲しいところですが、あっても置き場に困りますしね。
広いキッチンのある家が、本当にうらやましい限り。
牛テールに加え、長ネギ、ニンニクを一緒に煮込みます。
本を見るとショウガなども入れたほうがいいようですね。
この日は冷蔵庫にストックがなかったので割愛。
かわりに余っていたタマネギを放り込んでみたのですが、
こちらは甘味が出てしまったので、なくてもよかった気がします。
火にかけて沸騰したら、その時点で大根を追加。
2時間煮込んでこんな感じ。
アクや脂が浮いてくるので、丹念に取り除きます。
きちんと色が白くなってくるのが嬉しいですね。
4時間でこの状態。
しっかり白くなったので、この時点で火を止めます。
これ以上煮込むと、今度は茶色っぽくなってしまうんですよね。
また煮込みすぎると水分が蒸発して、量もどんどん減ってしまうので、
それが悲しくて、適当で止めたというのも本音だったりします。
煮込み始めの写真と比べると、だいぶ減っているのがわかります。
少しずつ水を足していても、これだけになってしまうのです。
また、この手の料理を作る際、必ず白さを出す方法が話題になります。
フタをするとか、しないとか、塩を入れるとか入れないとか。
白くなるまで煮込む手間を惜しんで、一部の店はクリープを入れるとか。
いまだにその白さに対する正解を僕自身つかみきれておりませんが、
少なくともこの日はフタをしました。塩とクリープは一切入れませんでした。
個人的にはよく煮込めば白くなるんじゃ、と思っておりますが、
いずれまたフタをしないで煮込む実験もしたいと思います。
全体をざるとキッチンペーパーで漉し、小鍋に移して味付け。
味付けは少量の塩と、コショウだけで充分です。
器に盛り付けて……。
刻みネギをあしらったら出来上がり。
せっかくなのでごはんも赤いものを炊きました。
黒米入りの9穀米。韓国から買ってきたものです。
後は冷蔵庫からキムチを出してこの日の食卓は完成。
いやー、午後いっぱいかけただけあって美味しかったです。
煮込むだけで、こんなに美味しい料理が出来るとは幸せ。
牛テールについた肉も、塩や酢醤油で食べましたが、
口のなかでとろとろに溶けて、たまらないうまさです。
ちなみにこれは翌日の昼食。
つい先ほどの話ですが、醤油味も作ってみました。
大阪で食べたコリコムタンは、醤油味で具がたっぷり。
タマネギ、ゼンマイなども入っておりましたね。
具は省略してしまいましたが、醤油味もやっぱりうまい!
醤油の香りがふわっと立って、スープにメリハリがつきます。
ラーメンのスープにしてもよさそうな感じですね。
ちなみにまだあと少しスープが残っておりますが、
これは明日、さらにアレンジして使おうと思っております。
4時間煮込むだけで、3日に渡って楽しめる食材。
牛テールの底力に感動しつつ、幸せな休日を過ごしております。
4 Responses to 牛テールを煮込んで自作コリコムタン。