ずいぶん長いこと宿題店リストに入っていた店。
某企画の打ち上げということで、ようやく足を運べました。
やっぱり月島というのが足が向かなかった理由でしょうね。
韓国人を案内してもんじゃ焼き、という以外に行く用事がなく、
なにかのついでということで出かけることもありませんでした。
月島で飲もう、という誘いはほかにもあったりするんですけどね。
もんじゃ焼き以外にも、いい店が揃っていると聞いております。
さて、こちらのお店、何が心に引っかかっていたかというと、
納得のいく味になるまで3ヶ月出さなかったという冷麺。
もともとは九州の小倉で人気を集めた焼肉店なのですが、
常連客のすすめなどもあって、2005年に東京へ来たそうです。
業態としては和牛を中心とした焼肉プラス韓国家庭料理。
よくあるスタイルですが、メニューを見るとそそられる名前が多く、
あれもこれもと、注文していきたくなる感じです。
冒頭の写真とて、見た目は盛り合わせの焼肉ですが……。
内臓系の盛り合わせであるこちらとセット。
正肉部位5品、内臓部位5品が揃っております。
そんでもって、このメニュー名が「牛一頭」。
韓国でもメス牛の各部位盛り合わせのことを、
アムソハンマリ(メス牛一頭)と呼んだりしますが、
盛り合わせとわかっていても、ワクワクしますよね。
ただ、この「牛一頭」は各部位とも3切れと決まっているので、
3人の倍数に揃えて注文されることを強くお勧めします。
「牛一頭」の中には希少部位も含まれているので、
人数によっての微調整は、難しいということでした。
新鮮なレバ刺しなどをつまみつつ。
自家製のキムチ盛り合わせは小松菜入りでした。
韓国では見かけませんが、小松菜はキムチに合います。
新大久保あたりでも、稀に作っている店がありますが、
地味なようで、これも日韓のフュージョン料理ですね。
日本固有の食材で作るキムチやナムルなどは、
今後もっと種類が増えるでしょうし、評価されていいと思います。
絶品だった牛スジ煮込み。
これがお通しだというのだから幸せです。
いい肉を用意している店は、牛スジもうまいんですよね。
まかないなどに利用されることも多いようですが、
そのスジこそメニューに出して欲しいといつも思います。
こちらはぐるなびのクーポン使用によるサービス料理。
皮付きの豚バラ肉とキムチを炒めた料理、キムチポッカです。
この日、一緒に訪れた方はいずれも韓国通のみなさまでしたが、
このキムチポッカの「ポッカ」はなんだと悩んでおられました。
韓国の標準語では「ポックム」とするのが正しい料理名。
在日系の飲食店や、在日家庭で使われる用語なのです。
確かに知らないと同じ単語だとは思わないかもですね。
このあたりの言葉の微妙な差異も薀蓄として面白いところ。
日本語にするならば、豚キムチ炒めの一言ですけどね。
続いての一品はポッサム(茹で豚の葉野菜包み)。
すぐ上のキムチポッカに使った豚肉と同じものです。
なんでも鹿児島県からわざわざ仕入れたものだとか。
外側に薄くついている皮がこの料理の特徴です。
バラ肉の味わいに加え、クニクニとした独特の歯触り。
ちょっとしたアクセントですが、口の中で存在感を発揮します。
こちらのチヂミは「山のチヂミ」という名前でした。
「海のチヂミ」と名前のついた海鮮チヂミと対になる存在。
たっぷりの野菜に加え、牛そぼろが入った珍しいアレンジです。
この日、予想外のヒットだったのがコチラ。
なんとも懐かしい、ひと昔前に主流だった眞露です。
いまはみーんなチャミスルですもんね。
正しい名前は「眞露ゴールド」となっておりますが、
眞露のトレードマークであるガマガエルの絵が大きいので、
韓国では「トゥッコビ(ガマガエル)」と呼ばれておりました。
飲食店で「トゥッコビください」といえばこれが来ます。
でも韓国でももう、置いている店は少ないでしょうね。
この「トゥッコビ」が嬉しいのは25度のアルコール度数。
かつて韓国の焼酎といえば、みんな25度でした。
それがチャミスルの登場によって23度まで下がり、
どんどん飲みやすさを追求した結果、いまは19.5度。
南部地域に行くと、16.9度なんていう焼酎もあります。
「そんな焼酎で酔っ払えるか!」
そう気勢を上げる韓国の左党が大好きです。
明らかにチャミスルのほうが飲みやすいんですけどね。
昔の焼酎には力強い飲み応えがありました。
この店で古い在庫を抱えているのかと思いましたが、
製造年月日を見ると、昨年末になっていました。
まだ作っているんですね。嬉しい限りです。
さて、美味しい料理と懐かしい焼酎の相乗効果で、
いい感じに酔っ払って、いよいよ念願のシメです。
長い間、食べたくて仕方がなかった冷麺を注文します。
が、ここで予想外の事態発生。
「では最後に冷麺をください!」
「あ、ごめんさっきのお客さんでスープ終わっちゃった」
楽しさのあまり長居したのが運のツキ。
痛恨の冷麺品切れという不幸に見舞われました。
やむなくユッケジャン(辛い牛スープ)と……。
納豆で作るチョングッチャン(促成味噌のチゲ)を頼みました。
ユッケジャンは和牛のカルビを2日間煮込んだもの。
チョングッチャンも納豆を使ったアレンジが利いておりました。
でも、やはり食べたかったのは冷麺……。
宿題を果たしにきて宿題を残して帰る無念。
いずれまたこの店には足を運ばねばなりません。
まあ、喜んでまた来ると思いますけどね。
月島という町になかなか足を運べないのが課題です。
店名:韓灯(はんどぅん)
住所:東京都中央区月島2-8-12AS ONE月島地下1階
電話:03-3536-6635
営業:11:30~14:00、17:30~23:30(火~金)、17:30~23:30(土、日、祝)
定休:月曜日
4 Responses to 月島「韓灯」で牛一頭&トゥッコビ眞露。