麻布「文家」で宮中風家庭料理。

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料理研究家として有名な羅順子(な・すんじゃ)さんの店が、
麻布にできたという話を聞いて、行ってみることにしました。
こないだまで西麻布の「三丁目カフェスーペ」にいらしたはずですが、
いつの間にかそちらはお辞めになり、ご自分で店を出したそうです。
昨年10月にオープンしたばかり。最寄り駅は麻布十番駅です。

地図を頼りに行ってみると、閑静なというか薄暗い裏路地。
看板が出ていなければ、とうてい飲食店とは気付かない場所です。
築50年という長屋風の民家を改装して使っており、
店の入口もインターホンを押して、ドアを開けてもらうシステム。
食事に来たというよりも、知人宅にお邪魔するといった雰囲気です。

入口すぐの階段を上って2階が客席。客席数も少ないですね。
10人ちょっと入る部屋が、階段脇に2つあるといった程度なので、
麻布という場所柄からも、隠れ家的な雰囲気漂うお店です。

料理は宮中料理をベースにした家庭料理という感じ。
定番の料理もありますが、旬の食材をあしらった料理が多いです。
冒頭の写真は、オススメメニューに掲載されていたノビルのキムチ。
ノビルのピリッとした辛味が効いたキムチです。

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そしてこちらはタンポポのナムル。
タンポポの葉の部分を、ナムルに仕立てた料理です。
ピリッとした味わいはショウガだったのかな。
ナムルというよりも、サラダ風に味わえる料理でした。

そのほかキムチ3種盛り合わせ(白菜、大根、ゴボウ)や、
マグロの刺身をキムチと合えた料理を前菜がわりにつまみました。

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定番メニューとしてニラのジョン(チヂミ)を注文。
食べるとゴマ油のいい香りが鼻にふわっと抜けていきます。
普通ならこの手の料理、ヤンニョムジャン(薬味醤油)で食べますが、
こちらの店では酢につけて食べるスタイルを採用していました。

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このあたりから徐々にメイン料理が続いていきます。
店の雰囲気から、ボリューム少な目だろうとたくさん頼んだのですが、
意外にそうでもなく、おなかいっぱい食べることになりました。

こちらの料理はテジコギキムチチム。
豚肉を白菜キムチで包み、豆腐、キノコを加えた鍋風の料理です。
脂身の少ない豚肉と、多い豚肉が混在していたようで、
やはりというか脂身の多い部位のほうが好評でした。
豚の脂とキムチの組み合わせは抜群です。

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メニュー名ではノビアニですが、牛ヒレステーキという補足も。
ノビアニって薄切りにした牛肉に下味をつけて焼いた料理なのですが、
こちらの店では、現代風にアレンジを加えている模様です。
周りにかけまわされている赤いソースはコチュジャンがベース。
レアに焼かれた牛肉は文句なしに美味しかったです。

ただ、これが韓国料理かと言われるとちょっと悩ましいですけどね。
宮中料理というよりも、フュージョン料理に近い印象です。

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とってもクリーミーだったコンビジチゲ(おからのチゲ)。
おからではなく大豆をミキサーにかけてチゲに入れているはずです。
具には白菜キムチと豚肉が入っているので味わいも濃厚。
マイタケやギンナンが入っていたりとかなり贅沢な鍋でした。
上にどっさり乗っている春菊も甘味が濃くて美味しかったです。

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きちんと5つの色が揃った宮廷トッポッキ(餅炒め)。
韓国料理の基礎である五味五色の原則を忠実に守っています。
また、食材ごとにひとつひとつ下味がつけられており、
醤油ベースに味付けた牛肉とシイタケの香ばしさが際立っていました。

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シメに頼んだ宮廷式ピビン麺。

ピビン麺というと辛い薬味ダレの乗った冷麺を想像しますが、
これは宮中料理の骨董麺(コルドンミョン)がベースなのでしょう。
冷やした麺の上に炒めた牛肉や錦糸卵などの具が盛り付けられており、
醤油ベースのタレをかけて、よく混ぜ合わせて食べます。
味的には日本の冷やしうどんに近いですね。麺も稲庭うどん風です。

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最後のデザートも種類豊富でずいぶん凝っていました。
写真はコーン茶のブリュレ。独特の香ばしい味わいが生きています。
このほかに自家製のシルトク(蒸し餅)や、
ナツメのアイスクリームなどをみんなで分けて食べました。

これだけ食べて、それなりに飲んで1人5000円程度。
麻布という場所に加えて、この料理であればかなりお得でしょう。
隣の人が食べていたビビンバも美味しそうでしたしね。
食べ逃した料理に、まだまだ魅力的なものがたくさんあったので、
また、ぜひ機会を見つけて足を運びたいお店です。

店名:文家(むんが)
住所:東京都港区元麻布3-10-8山水荘808号
電話:03-3408-6055
営業:17:00~23:00
定休:日曜日
http://moon-ga.com/



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