韓国料理を語る際に「タデギ」という単語が出てきたりします。
醤油、唐辛子、みじん切りにしたニンニク、ショウガ、ネギなどを、
混ぜ合わせて作ったペースト状の合わせ調味料が「タデギ」。
ソルロンタン(牛を煮込んだスープ)のような汁物に入れたり、
カルグクス(韓国式のうどん)に入れたりと活躍の場は広いです。
店によってそれぞれ味が違い、企業秘密のようにしているところもあります。
韓国料理の中でも、重要なポジションにある調味料のひとつでしょう。
そのせいか日本でも韓国料理店を紹介する記事などで、
「特製のタデギが味の決め手!」
というような感じで書かれているのをよく見かけます。
こういう文章を書くときのテクニックなのでしょうが、
耳慣れない現地語を入れておくと妙な説得力が出ます。
なんだかわかんないけど、すごいものが入っているらしい。
グリチルリチン酸ジカリウム! とか、
サルファレゾルシン処方! とか、
塩酸ブロムヘキシン! あたりがよい例でしょう。
具体的にはなんだかわからずとも、
これはすごいのだ! という迫力が伝わってきます。
韓国料理に使われている調味料は日本とほとんど同じなので、
こういったあたりで説得力を出していく作業は確かに必要ですよね。
あとはせいぜい「ヤンニョム(合わせ調味料)」くらいでしょうか。
無条件に説得力を与えられる単語がもう少し欲しいところです。
ただ、こうした「タデギ」記事を見ていて思うのですが、
この「タデギ」って元をたどると日本語なんですよ。
日本語の「叩き」が、韓国語でなまって「タデギ」。
ニンニクやショウガなどを叩いた調味料という意味で、
いつの間にやら定着してしまった言葉だそうです。
記事に説得力を出すために使った現地語が、
実は日本語だって知ったら、書いた人はどう思うかなあ……。
なんてことを密かに思ったり。
ま、知ったとしても読む人はまず知らないですけどね。
今後、日本でもっと「タデギ」という言葉が有名になり、
「タデギ」っていったいなんだろう? という人が出始め、
そのうえで「日本語だったんだ!」という驚きに出会う。
そのくらい韓国料理が身近になったらいいなあ、なんて思います。
そんな日のために書いておく今日の記事。
ちなみに以前書いた「チョレギサラダ」についての記事は、
ずいぶん多くの人が検索で飛んで来ているようです。
韓国料理の認知度を少しでも上げるため、
種は目一杯撒いておこうと思います。
<過去の関連日記>
(04月09日)チョレギサラダの考察。
13 Responses to タデギに関する考察。