3月19日の日記でタッカンマリ(丸鶏の鍋)について書きました。
福岡県の博多天神に専門店がオープンしたので食べに行き、
4月1日に配信したメルマガでもその詳細を報告しています。
すると昨日、それを読んだという店長さんからメールを頂きました。
詳細は控えますが、タッカンマリについてずいぶん真剣に考えてらっしゃるようです。
そのメールを読んで僕もいろいろ考えたのですが、
タッカンマリはやはりずいぶん特殊な料理なのだと思いました。
韓国での知名度は少なく、ソウルでもさほど店は多くない。
にもかかわらず、日本での知名度は不思議なほど高いという料理です。
加えて、元祖格とされる店がきっちりと決まっています。
鍾路5街の「チンハルメ元祖タッ」こそが評判の老舗であり、
現地でも待つのが嫌いな韓国人が行列を作る店です。
タッカンマリの代名詞というか、そのものみたいな店。
当然日本のガイドブックにもこの店が紹介されております。
たいていの日本人はタッカンマリをこの店で食べるので、
日本でタッカンマリが食べたいという人はこの店のそれをイメージします。
他の料理だと、店ごとに少しずつ違いがあって当たり前ですが、
タッカンマリにはそれがないので、料理の幅が異常に狭い。
ちょっと違うだけでも、「これは違う!」ということになりかねません。
まあ、たいてい「違う!」って言うのは僕みたいな人なんですけどね。
やれ丸鶏じゃなきゃダメだとか、金ダライで煮るのが正式だとか。
また、見た目だけでなく味も現地のそれをイメージしますので、
行列ができるくらい美味しくなければ、やっぱり「違う!」ということになる。
店側にとっては異常にハードルの高い料理となってしまいます。
丸鶏を煮込んだだけの鍋にしては、えらく複雑な話ですよね。
鶏そのものがよければある程度は解決するのだと思いますが、
日本では丸鶏のコストが高く、またサイズも問題になってくるようです。
韓国のように丸鶏を食べる習慣がないので、そもそもの品が少ない。
丸鶏といえば丸鶏でしかなく、サイズを選ぶというのが難しいようです。
韓国は雛鳥から親鶏まで、丸ごと使う料理がたくさんありますもんね。
同じように考えると、難しいことがいっぱい出てくるみたいです。
消費者の立場でいつも気楽なことばかり書いておりますが、
経営する側からみると、大変なことが多いんでしょうね。
タッカンマリを東京で切望する気持ちにはかわりないので、
ぜひとも「鶏一羽」には頑張って欲しいと思います。
<過去の関連日記>
(03月19日)博多天神の「鶏一羽」でタッカンマリ。