コリアうめーや!!第271号

コリアうめーや!!第271号

<ごあいさつ>
6月15日になりました。
じりじりと蒸し暑いソウルに来ています。
といっても、これを書いているのは、
もう帰国直前の金浦空港なんですけどね。
10~15日という日程で5泊6日。
バタバタとソウル各地を取材しておりました。
連日、食べっ放しなのはいうまでもなし。
「人間的にひとまわり大きくなった!」
というのが精神的な意味でなく、
体重的な意味であるのが悲しいところです。
さて、そんな中、今号のテーマですが、
出発直前のホットな話題を取り上げます。
いやはや韓国ファンにとっては衝撃の6月でした。
コリアうめーや!!第271号。
甘い香りを吸い込んで、スタートです。

<2012年6月のバナナウユ狂騒曲!!>

2012年、韓国好きの6月は、
「バナナウユ」とともに始まった。

より正確に書くなら……。

「バナナマッウユ(バナナ味牛乳)」

というのが正式名称である。

韓国のピングレ(Binggrae)という会社が、
1974年から発売している乳飲料。
商品名の「味(マッ)」の部分を省略し、
一般的には「バナナウユ」と呼ばれている。

これが6月1日から日本でも正式発売された。

韓国ファンにとっては長年の悲願成就であり、
僕にとっても狂喜乱舞の大ニュースである。

なにしろ40年近いロングセラー。

韓国人にとっては子どもの頃から慣れ親しみ、
大人になってからもふと飲みたくなる追憶の味。
牛乳に溶けたバナナの甘い香りと味わいは、
韓国人の心の奥底をとろかす何かがあるようだ。

いうなれば韓国の「国民的飲料」であり、
自然、韓国ファンからの寵愛も篤い。

僕がバナナウユ日本進出の報を目にしたのは、
もうすでに発売直前、5月24日のことであった。
Twitter上で偶然見つけたツイートに、

「バナナウユが日本でも発売になる!」

との情報が出ていた。

普段から新商品情報にはアンテナを立てているが、
このニュースに限ってはまったくのノーマークだった。
ツイートを見てからあちこち調べたが、
それでも公的な情報はほぼ出てこなかった。

一瞬、デマの可能性も疑いかけたが、
Twitter上には日本版パッケージの写真も流れている。
また、昨年3月のフーデックスにピングレが参加しており、
そのときに日本進出の用意があると話を聞いていた。

ちなみにそのときTwitterに書いたのが……。

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先日のフーデックスにピングレが出品していた。氷菓類
を日本で売りたいらしいが、むしろ紙パック入りの「バ
ナナ味牛乳」を並べていたのに驚いた。輸出用として新
しく作ったようなので、日本で飲めるようになる日も近
いのかもしれない。(2011年3月9日)
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こんなツイート。
ネット上に公的な情報が見つからなくとも、
信頼性は充分であると判断した。

では、どうやってそのウラを取るか。

まず、Twitterで情報提供を求めてみたが、
それで確度の高い情報に出会えるかはわからない。
むしろ、発売元のピングレに連絡すべきだが、
あいにく日本に支社は置かれていない。

「じゃあ、本社に直接アタックだ!」

ということで公式サイトからメールを送ってみた。
するとその日のうちに返信が届いた。

それを要約してTwitterに書いたのがこちら。

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ピングレに直接メール送ったら、丁寧な返信がすぐ返っ
てきた! 待望の「バナナ味牛乳」は6月1日より渋谷
「東急ストア」での販売を皮切りに、6月5日からローソ
ン(一部地域を除く)でも全国的に発売。牛乳パック型
の280mlでの販売となるようです。(2012年05月24日)
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これが僕の予想をはるかに超えての大反響。

いまだにポツポツとリツイート(転送)があり、
今日までの段階で、その総数はなんと600以上。
Twitterを使わない人には伝わりにくいが、

「600人以上がクチコミで広めた!」

とも言い換えられる。

バナナウユファンがこれほどまでに多いとは。
同好の士がたくさんいたことを嬉しく思うとともに、
僕も有益な情報を流せたことが誇らしかった。

だが、ここに落とし穴があった。

ピングレからの情報をそのまま要約したのだが、
それを右から左へと流したのは迂闊であった。
海外企業だけに日本の地理に不案内なのは充分あること。

ツイートからほどなく、

渋谷には「東急ストア」がない!

という衝撃の事実が判明し、
僕の速報は、一部が「誤報」と確定した。

Twitterは気軽に誰でも投稿できるぶん、
時折、真実ではない情報も急速度で拡散する。
それを揶揄して「デマッター」とも呼んだりするが、
まさか自分が当事者になるとは思わなかった。

慌ててピングレに再度のメールを送り、
併せて日本の販売店にも問い合わせを行う。

ここからの経緯はブログのほうに詳しい。

ピングレ「バナナ味牛乳(バナナウユ)」を心待ちにする皆様へ。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-1389.html

ピングレからは広報部署を通じ、
現場レベルの担当者から詳細な情報を送ってくれた。
この数日でも状況の変化があったようで、
先の情報にない、新たな販売店も追加されていた。

それも含めて、すべて販売店に問い合わせをし、
ようやく出揃った情報をツイートしたのがコチラ。

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バナナウユを楽しみにしている皆様。ローソンでの販売
は6月5日からです。本日1日よりドラッグストアのウエ
ルシア、明日2日より首都圏一部のイトーヨーカドー、
4日より東急ストア、5日よりローソン(北海道、東北、
沖縄を除く)です。(2012年6月1日)
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ちなみに日本側各社の対応は感動的に丁寧だった。
窓口になった皆様には改めて謝意を示したい。

ただ、このツイートで一件落着とはいかなかった。

僕としては続報で挽回したつもりだったが、
予想外だったのは、詳報でも「続報は既報」ということ。

後になって少しずつリツイートも同程度に伸びたが、
第1報に比べると、その初動は明らかに反応が遅かった。
ネット上における情報拡散の不確かさと、
挽回することの難しさを改めて痛感した次第である。

その後もTwitter上では情報が錯綜し、
バナナウユを求めて右往左往する人の姿が目立った。
最初のツイートで迷惑をかけた方々には、
つくづく申し訳ないことをしたと思う。

さて、そのバナナウユであるが、
6月1日から順次、販売が拡大している。
期待を込めて発売日を待ち望んだ、
韓国ファンの反応も概ね上々のようだ。

僕も当初は業務提携による日本国内での生産と聞き、
正直、味が変わるのではと不安だった。

だが、それは杞憂であり、

「これはまさにピングレのバナナウユ!」

というのが僕の第一印象であった。

ただ、よく味わってみると牛乳の味が濃く、
むしろ、韓国で飲むより美味しいような気もした。
僕自身、久しぶりに飲んだので、
もしかすると思い出補正でもあるのだろうか。

ということで、今回の韓国出張に際し、
日本産のバナナウユを持ち込んで味を比べてみた。
それを踏まえて、僕なりの結論は……。

「目隠しで飲めばどちらも一緒!」

という感じ。

利き酒のように両者を詳細に比べれば、
本当にわずかだが、日本産は牛乳の後味が濃い気がする。
だが、それは第一印象からの先入観もありそうだし、

「じゃあ、目隠しでどっちか当ててごらん」

といわれたら正解する自信がない。
違いがあっても、そのぐらいの微差であろう。

ただ、今後も日韓両方で飲み続けてゆけば、
いずれは見極められるようになるのかも。
胸を張って、日韓のバナナウユを語れるように、
今後もしっかり飲み続けていきたいと思う。

日韓のバナナウユに栄光あれ!

<お知らせ>
6月5日(火)に学研教育出版より新刊が出ました。
「ハングル練習帳」「ハングルドリル」「ペラペラドリル」に続く、
シリーズ第4段は、初級脱出を目指した文法事項に切り込みます。
ヘヨ体の基本的な作り方から、過去形、敬語までがメインです。

タイトルは、

『世界一やさしい韓国語 初級脱出!』

音声CDのほか、練習問題の解説は僕が登場する動画でもフォロー。
一連のテキストを使って頂いた方には、いいステップアップになるはずです!

韓食日記
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-1391.html
アマゾン
http://www.amazon.co.jp/dp/4053030773
楽天
http://books.rakuten.co.jp/rb/item/11726651/

<リンク>
ブログ「韓食日記」
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http://www.facebook.com/kansyokunikki

<八田氏の独り言>
今夏の韓国ではレモネードが流行中。
バナナからレモンへのリレーも急務です。

コリアうめーや!!第271号
2012年6月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com

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