コリアうめーや!!第214号
<ごあいさつ>
2月になりました。
慌しい1月はあっという間でしたね。
正月連休のあと、1週間の休暇を取ったのですが、
おかげでその前後の期間は猛烈な忙しさでした。
片付けても片付けても仕事が終わらず、
次から次へとスケジュールが山積みになる日々。
遊んでいるときはのんびり楽しかったんですけどね。
オンとオフの差が非常に激しい1ヶ月でした。
まだ多少、忙しさの波は残っておりますが、
2月はいくらか楽になりそうな予感です。
さて、今号のメルマガではそんな休暇の報告から。
いつになく短い滞在ではありましたが、
一応、韓国の地も踏んで来ることができました。
短いながらも充実した食生活になったので、
それらをまとめて報告したいと思います。
コリアうめーや!!第214号。
時間と戦う、スタートです。
<ソウル24時間タイムアタック食べ歩き!!>
夕方5時の飛行機でソウルに着いて、
翌日の夕方5時には日本へと飛び立つ。
計算上は24時間だが、実際にはもっと短い。
空港からの移動や、宿泊、搭乗の手続きを考えると、
与えられた時間は10時間強といったところ。
さてどれだけの料理を食べられるだろう。
極端な話、寝る間も惜しんで食べ続ければ、
この時間制限でも、それなりの軒数を稼げる。
例えば、到着直後の夕食からまず3軒ハシゴ。
仮眠後、早朝から朝食2軒、オヤツ、昼食2軒、オヤツ、
帰り際の空港で早めの夕食をとれば計10軒。
自分ひとりならば充分に可能なスケジュールだ。
だが、今回のソウル滞在はちょっと事情が違う。
これだけ短い滞在になったのには理由があり、
南国フィジーからの帰り道で立ち寄ったからである。
フィジーから日本へは直行便が就航していないため、
大韓航空を利用する場合、仁川空港での乗り換えが発生する。
そのまま乗り換えてもよいが、1泊する選択肢もある。
どうせならと宿泊を選んだので、24時間のソウル旅行が実現した。
「フィジー? また似つかわしくないところへ……」
という意見もあるだろうが、
実はこれ、遅まきながらの新婚旅行である。
すなわち僕はいつものようにひとりでなく、
すぐ隣には妻が同行している。
「寝る間も惜しんで食べ歩きだ!」
などと宣言したら、成田離婚ならぬ仁川離婚が確実。
無理な食べ歩きは控え、常識的な予定を組まねばならない。
せっかくなので妻に食べたい料理を選んでもらい、
僕がスケジュールに合わせて、おすすめ店を選定した。
短いながらも、充実した24時間の食べ歩きを紹介してみたい。
ちなみに妻もソウル初心者ではない。
かつて韓国に留学していた経験を持ち、仕事も韓国関係。
ソウル旅行こそ3年ぶりだが、地方出張には出ている。
ややブランクのあるリピーターといったレベルであろうか。
そんな妻から上がってきたリクエストは以下の通り。
・豪勢な焼肉を食べたい
・カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)が食べたい
・ロティボーイ(マレーシア風のパン)が食べたい
・ロッテ免税店ほか、免税店巡りをしたい
・どこかおすすめの場所に行きたい
なお宿泊地は地下鉄2号線、駅三駅と宣陵駅の中間。
仁川空港へ向かう帰りのバスは15時30分に発車予定だ。
バスの停留所はホテルの前なのでこの点はロスなし。
これらを踏まえてスケジュールを組んだ。
まず初日。
空港から旅行社の車に乗ってホテルに到着。
多少の渋滞には引っかかったものの、さほどでもなく、
ホテルのチェックインを終えてちょうど20時だった。
充分な余裕をもって、豪勢な焼肉からスタート。
昨年、一昨年のメルマガでもずいぶん書いてきたが、
昨今の焼肉業界は「精肉食堂」が大ブームである。
精肉店が焼肉店を兼ねることで値段を下げ、
上質の牛肉を、リーズナブルに味わうことができる。
ちょうど位置的にも精肉食堂の集まる大峙洞が近い。
タクシーに乗って精肉食堂ストリートを目指す。
<1軒目>
店名:トゥッコビ精肉店直営食堂(大峙洞)
料理:サルチサル(リブロース)、コットゥンシム(霜降りロース)
この店は2度ほど取材させてもらった縁から、
メニューの日本語訳も僕のほうで担当した。
店に入るなりオーナー夫婦が迎えてくれ、
新婚旅行であることを告げると大喜びしてくれた。
「たっぷり食べてってね!」
と大歓待を受け、豪勢な焼肉三昧。
特にこの店は、韓国では珍しい霜降りにこだわっており、
そのとろけるような味わいを心ゆくまで満喫した。
この日はこの1食でおしまい。
その後、軽く飲みにでも行こうかとも思ったが、
長時間移動の疲れもあったのでホテルに戻って寝た。
なにしろ常識的なスケジュールが命題である。
すると時差(フィジーから-4時間)の関係もあり、
なんと翌朝は5時に目が覚めてしまったではないか!
「さて、どうする……」
リクエストにあったロティボーイは、
営業時間の早い明洞店でも8時からの営業。
また妻が行きたいといっているロッテ免税店も、
調べたところ9時半からの営業であった。
話し合った結果、早朝の南大門市場を目指すことに。
南大門市場からなら明洞は徒歩圏であるし、
卸売市場なのでも早朝からでも営業している。
散策しつつ、適当なところで明洞に移動すればいい。
と、ここで魔が差した。
「あの、南大門市場の中にね……」
「有名なコリコムタン(テールスープ)の店があるんだよね……」
「そこが運よく24時間営業なんだけど……」
「えと、あの、もしよかったら……」
何かを察した妻は快く方針転換を承諾。
朝食をコリコムタン、ロティボーイは食後のお茶とした。
<2軒目>
店名:ウノ食堂(南大門市場)
料理:コリコムタン、コリトマク(肉多めのテールスープ)
<3軒目>
店名:ロティボーイ明洞店(明洞)
料理:ロティボーイ、カヤボーイ(ココナッツジャム入り)
その後はふたり分かれて自由行動に。
といえば聞こえはよいが、僕が免税店行脚から逃走。
妻がロッテ免税店、東和免税店と巡っている間、
永豊文庫(書店)で韓国料理関連の本をあさることにした。
それぞれ充実した時間を過ごし、12時前に再集合。
「で、おすすめの場所はどこに決めたの?」
「うん、この近くに広蔵市場ってとこがあってね!」
「何がおすすめなの?」
「美味しい屋台料理がたくさん!」
「え? それがお昼ごはん?」
「いや、お昼はカンジャンケジャンだから、その前のオヤツ!」
「……」
「まあまあ、手軽な料理ばっかりだから!」
すでに何かが弾けていた。
<4軒目>
店名:コマキムパプ(広蔵市場)
料理:麻薬キムパプ(カラシ醤油で食べるミニ海苔巻き)
<5軒目>
店名:パッカネピンデトク(広蔵市場)
料理:ピンデトク(緑豆のお焼き)、マッコリ(どぶろく)
手軽な料理とはいえ2軒をハシゴ。
屋台がわんさか密集した生活市場巡りは楽しかったが、
市場を後にする頃には、さすがに満腹で歩くのも億劫だった。
時間的なこともあり、今度はタクシーで仁寺洞を目指す。
安国駅側からメインストリートに乗りつけ、
ゆるゆる歩いていくと、ある老舗定食店に到着する。
ソウルにもカンジャンケジャンを提供する店は多いが、
鮮度、味、そして立地などを考えると候補は狭まってくる。
本来であれば、海の近くまで足を伸ばしたい料理だが、
さすがに時間がないので、そこまではできない。
<6軒目>
店名:イモチプ(仁寺洞)
料理:カンジャンケジャン定食
仁寺洞の「イモチプ」は歴史のある定食店で、
こまごまとした副菜類が不思議なぐらいどれも美味しい。
豆腐の煮物、サンマと大根の煮物、野菜の和え物などなど。
それだけでも大盛りごはんをがっつりと食べられる。
ただ、さすがに朝からの食べ歩きで満腹。
箸の動きも鈍ってくるが、カニとなったら話は別である。
生のまま薬味醤油に漬け込まれたワタリガニは、
身がとろとろに甘く、味噌や内子が泣けるほど濃厚。
ふと見ると、妻は夢中でカニの甲羅と格闘していた。
甲羅の中にごはんを放り込んでぐるぐるかき混ぜ、
ビビンバのようにして食べるとたいへんに美味しい。
どうやら僕に分け与える余裕もなさそうである。
他のおかずには見向きもせず、カニばかりを平らげていた。
「ああ、満足!」
とりあえず責務は果たせたようで何よりだった。
以上をもってミッションはすべて終了。
あとはホテルに戻り、空港へと急ぐだけである。
仁寺洞の街をふらふら歩きながら地下鉄駅へと急ぐ……。
と、そこでイケナイものを見つけてしまった。
「あ、ウンコパン!」
なんとも尾篭な名称ではあるが、
韓国ではこのウンコパン(トンパン)が静かなブーム。
いわゆるタイヤキの亜流なのだが、どこの誰が血迷ったのか、
ウンコを模して型を作ったという珍スイーツだ。
ウンコパンとともにイチゴパンもあり、
こちらはバランスを取るかのごとくかわいい見た目。
その奇抜さが受け、大行列が出来ていた。
デザートにこれを購入。
<7軒目>
店名:トンパン(仁寺洞)
料理:トンパン(ウンコパン)、タルギパン(イチゴパン)
中身は甘味を少し控えた普通のアンコで、
ウンコパンもイチゴパンも中身は一緒である。
食べつつも、少し妙な気分にはなるが、
話のタネとしてはそれなりに面白い。
ぺろっと平らげて、今度こそ本当に食べ歩き終了。
冒頭で頑張れば10軒などと書いたが、
振り返ってみれば、オヤツも含めて全部で7軒。
いつのまにかそれなりの食べ歩きになっていた。
仁川離婚を言い渡されてもおかしくないレベルだが、
幸いなことに、2人揃って家に帰って来られた。
時には僕よりたくさん食べる妻に感謝である。
以上が24時間限定のソウル報告。
それなりに充実した食べ歩きになったものの、
やはり時間に追われ続けた感は否めない。
次回はもう少し余裕のある日程にしたい。
<店名一覧>
店名:トゥッコビ精肉店直営食堂
住所:ソウル市江南区大峙4洞906-21
電話:02-445-8742
店名:ウノ食堂
住所:ソウル市中区南昌洞50-43
電話:02-753-3263
店名:ロティボーイ明洞店
住所:ソウル市中区乙支路2街199-40明洞アルヌーボーセンタム1、2階
電話:02-779-2469
店名:パッカネピンデトク
住所:ソウル市鍾路区礼智洞6-1広蔵市場内
電話:なし
店名:コマキムパプ
住所:ソウル市鍾路区礼智洞6-1広蔵市場内
電話:02-2264-7668
店名:イモチプ
住所:ソウル市鍾路区寛勲洞78-2
電話:02-720-4688
店名:トンパン
住所:ソウル市鍾路区寛勲洞38
電話:なし
<お知らせ>
仕事が忙しくHPの更新ができません。
落ち着いたら、まとめて更新したいと思います。
http://www.koparis.com/~hatta/
<八田氏の独り言>
季節外れの日焼け顔を皆に笑われます。
ふくらはぎは皮が剥けてボロボロだったり。
コリアうめーや!!第214号
2010年2月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com