コリアうめーや!!第187号
<ごあいさつ>
12月15日になりました。
あちこち慌しい師走の真っ只中。
忘年会シーズンも最盛期を迎えつつあり、
読者皆様も忙しい日々ではと思います。
そろそろ年賀状、大掃除の心配も必要ですよね。
1年の締めくくりに奔走する時期。
月に2度配信のコリアうめーや!!も、
今年はいよいよこれが最後の記事となります。
1年間のご愛読、本当にありがとうございました。
そんな感謝を込めつつ、最後はこんな企画。
今年食べた料理のベスト10を披露したいと思います。
個人的な事情で、2年ほどストップしていた企画ですが、
今年は無事に披露できる運びになって何よりです。
今年をきっかけにまた恒例行事になりますように。
コリアうめーや!!第187号。
1年をざざっと振り返る、スタートです。
<2008年これがうまかったベスト10!!>
「こんばんは。司会の古里柳徹子でございます」
「こんばんは。宇米谷宏です」
「コリやなぎ徹子と、うめーや宏。」
「2人合わせてコリアうめーや!!でございます」
ぱちぱちぱちぱちぱちぱち。
「いやはや皆様とは3年ぶりのご対面ですね」
「たぶん我々のことを知らない人も多いでしょう」
「この年末企画が始まったのは2004年」
「その年に食べた韓国料理のベスト10を発表する場でした」
「進行役として我々が任命されていたんですけどね」
「その翌年までしかお役目がありませんでした」
「ええ、3年目の2006年がまずかった」
「八田氏の訪韓機会が大幅に減って企画が休止」
「ベスト10が組めないという間抜けな理由により……」
「ここ2年間は我々も登場機会を失ったという訳です」
「ところが今年はそれが違いました」
「八田氏も心を入れ替えたようで9回も韓国を訪問」
「地方料理もたくさん食べてきたとのことで……」
「今年は無事にベスト10が組めるという訳です」
「年ごとにムラがあるのはフードコラムニスト失格ですけどね」
「まあ、今年は彼なりに頑張ったということで進行しましょう」
「その前に過去のリンクを貼っておきましょうか」
「唐突な展開について行けない人は、まずこちらをご参照ください」
2004年これがうまかったベスト10!!
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume91.htm
2005年これがうまかったベスト10!!
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume115.htm
「来年も出番があるといいですね」
「ですね。まずは第10位から第8位までのランキングです!」
ダララララララララララ……。ジャン!!
第10位、慶州料理
第9位、奨忠洞チョッパル
第8位、晋州ユッケビビンバ&晋州冷麺
「おおーっと、いきなり地方が2つランキング入りですね」
「第9位にもソウルの名物通りが入っています」
「それでは八田氏にランキングの解説をしてもらうとともに……」
「2年間サボった反省と謝罪の弁を聞くこととしましょう」
どーもー。八田です。いやはや、なんとも。
ここ2年間は確かにベスト10が組めませんでした。
韓国に行けず、国内の仕事が多かったんですよね。
2006年は……。
第139号 2006年の韓国料理事情inJAPAN!!
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume139.htm
ということで国内事情の分析をしてごまかし、
2007年はむしろ開き直って、
第163号 来年こそ実現したい韓国の地方料理三昧!!
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume163.htm
翌年への展望を書きました。
まあ、ほとんどが仕事とはいえ今年は9回行けたので、
昨年末の公約は果たせたのではないかと思います。
これまで2年間、ご心配をおかけし申し訳ありませんでした。
来年も頑張りますので、宜しくお付き合いください。
てな感じで反省と謝罪はいいですかね。
えーと、上にあげた第10位から第8位までですが、
けっこうこのあたりの順位でも、候補が多く悩ましいぐらいでした。
例年、下位のランキングはけっこう適当なんですけどね。
まず、第10位の慶州料理ですが、
つい先日、12月に取材で行って食べてきました。
一般に慶州といえば、うまいもののない土地として有名。
グルメ派にはあまり面白味のない町です。
とはいえ、久しぶりに取材で3泊してみた結果、
深くまで切り込めば、意外に面白い料理もあるようで。
今後への期待が膨らんだということで第10位です。
ちなみにいちばん驚いたのは温かいチョルミョン。
普通、チョルミョンといえば生野菜と和えて食べる、
韓国版冷やし中華のような麺料理であるのが普通。
ウドンのような熱いスープで食べるものは初めて見ました。
まだ他に類似店が見つかっていないので、
慶州地域の名物とはいえなさそうですけどね。
また、第186号でちらっと書いた、
ドーナツ入りの豆スープも気になるところ。
これは今後への宿題ですね。
念願だった高級韓定食店にも足を運べたことも含め、
慶州料理をランクインということにしました。
第9位の奨忠洞チョッパルは7月のソウル取材。
奨忠洞にはチョッパル(豚足)の専門店が並んでおり、
ここを訪れるのは、留学時代以来のことでした。
改めて食べて思いましたが、専門店のチョッパルは別物ですね。
取材で行った店ではショウガ、ネギなどの香味野菜のほか、
長年継ぎ足しで使っている煮汁と、醤油しか使わないとのこと。
仕上がりに余計な甘さがなく、香ばしい味わいになります。
チョッパルという料理のよさを再認識した大きな体験。
厨房にもお邪魔し、巨大な釜を見た感動も含めての9位です。
第8位もつい先日、12月上旬の訪韓です。
晋州のユッケビビンバについてはもうずいぶん前。
2003年の第54号でも書いたことがあります。
そのとき以来、約5年ぶりに晋州の地を踏んできました。
第54号 晋州のユッケビビンバに感動落涙!!
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume54.htm
それとともに、今回はもうひとつの晋州名物。
魚介類でダシを取った晋州式の冷麺も味わってきました。
錦糸卵や細切りにしたナシ、キュウリなどに加え、
同じく細切りにた牛肉のジョン(衣焼き)が乗るのも特徴的。
冷麺といえば北朝鮮が本場として知られますが、
南にも立派なご当地冷麺があるのを確認して感動的でした。
堂々の第8位ということでランクインです。
「はい、八田氏によるランキング解説でした」
「なんか例年にも増して下位から鼻息が荒いですね」
「たぶん名誉挽回といった気持ちが混じるんでしょうね」
「ここぞとばかりに、という感じが見え見えですね」
わはははははは。(場内爆笑)
「さて、八田氏が元気なうちに続けましょう」
「それでは第7位から第5位までのランキングです!」
ダララララララララララ……。ジャン!!
第7位、全州マッコルリタウン
第6位、隣の国の晩ごはん企画&コノシロ料理
第5位、忠清道美食巡り
「はい、3つ出揃いました」
「なんかこれだけだと微妙によくわからないですね」
「八田氏に解説していただきましょう」
第7位の全州マッコルリタウンについては、
第184号にて詳細を書きました。
マッコルリをヤカン1杯頼むことによって、
無料の料理がずらずらと並ぶシステムに感動です。
マッコルリに料金が含まれているということなのですが、
追加をしていくほど、料理が豪華になっていくんです。
次はいったいどんな料理が出てくるんだろうなぁ。
というのが楽しみで、ついついマッコルリを飲みすぎてしまう。
そんな体験が楽しくて、毎日通ってしまいました。
第184号 全州はマッコルリの町なのだ!!
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=594906
第6位はこれから発表される取材なので詳細は内緒。
韓国の一般家庭にお邪魔し、その家の料理を食べてきた記事が、
もうすぐ発売の『韓国語ジャーナル27号』に掲載されます。
飲食店の料理もいいですが、やっぱり手料理には適いません。
実際に家でできそうな裏技もいっぱい習ったので、
そのあたりも含めて、第6位にランキングです。
オマケでつけたコノシロ料理はちょうど取材時が旬。
第182号でも書きましたが、なかなか出会えなかったんですよね。
やっと旬の真っ盛りにぶつかって感動のコノシロ初体験。
個別でランクインさせてもいいぐらいでしたけどね。
第182号 秋はなんとしてもチョノなのだ!!
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=590908
第5位は忠清道美食巡りとしました。
これはまだメルマガで報告していませんね。
5月にソウルへ行ったところ2日ほど時間ができたので、
えいやっ! と忠清道方面へ繰り出してきました。
食べてきたのはこんな感じの料理。
・トリベンベンイ(オイカワの揚げ焼き)
・センソングクス(小魚をすりつぶして汁に加えた麺料理
・インサムオジュク(高麗人参入りの魚粥)
・インサムティギム(高麗人参の天ぷら)
・インサムマッコルリ(高麗人参入りのどぶろく)
トリベンベンイとセンソングクスは忠清北道沃川郡の名物料理。
いずれも地元でとれる川魚を巧みに調理したものです。
他地域ではなかなか見られない、珍しい手法に驚きましたね。
下の3つは高麗人参の名産地である忠清南道錦山郡でのもの。
中でも高麗人参を天ぷらにしたインサムティギムは美味でした。
高麗人参を本気で美味しい! と思ったのはこれが初めてかも。
やはり産地は素晴らしい、ということを再確認しました。
ちなみにこれらの話はNHK『テレビでハングル』のテキスト。
「マシッソヨ!紀行」10、11月号に掲載されています。
早く読みたい、という人はぜひそちらをご確認ください。
「はい、なんか最後は宣伝でしたね」
「最近そういったあたりが妙に抜け目ないですよね」
「活動の場を広げているということなんでもあるでしょうが」
「あちこちで宣伝ばかりしている印象があります」
「たまに何を宣伝したか自分でわからなくなっていますしね」
「同じ宣伝を繰り返して恥をかいたりもしているようです」
がはははははは。(場内爆笑)
「まあ、ともかく次へといきますか」
「はい。第4位に移る前に次点を紹介です」
次点、菜の花のキムパプ(海苔巻き)
「ほほう、なかなか風流なキムパプですね」
「これはどんなキムパプだったのでしょう」
第166号にも書いたのですが、今年の1月にですね。
東京の新大久保で、出前オフ会というのを開催しました。
フリースペースを確保して、近隣の各店舗から出前を取り、
それを一挙に味わう、という企画意図でした。
第166号 ついに実現新大久保出前オフ会!!
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=556646
そのとき自分でも料理を1品作って行ったんですね。
それがちょうど旬の走りで出ていた菜の花入りのキムパプ。
さっとゆがいてナムルにして入れたのですが、
色合いもきれいですし、ほろ苦さがよく活きていました。
久しぶりに成功したキムパプの工夫だったかなと。
そういう意味からも、次点に選んでみました。
「なるほど、これまでは失敗も多かったですしね」
「30歳記念に30種類の具をキムパプに巻き込んだりとか」
「あれは具の味がごっちゃになって見事な失敗でした」
「そういうことをしたがるあたりが、まだ若いですよね」
はははははは。(場内冷笑)
「さ、そろそろここからが大詰めですよ」
「気持ちを切り替えて、第4位から第2位です!」
ダララララララララララ……。ジャン!!
第4位、済州島料理の数々
第3位、全州ビビンバと全羅北道料理
第2位、大阪韓国料理食べ歩き
「はい、第4位から第2位です」
「これもなんだか漠然としていますね」
「料理というよりもエリアの指定にすぎません」
「いったいどういうことでしょう」
今年は本当にあちこち出張が多かったんですよ。
ありがたいことに、済州島も全部で3回行きました。
いずれも美味しいもの三昧の出張でしたけどね。
やはり済州島はいいなあ、ということでまとめました。
中でも印象に残っているのがこんな料理。
・ヘムルトゥッペギ(海産物の味噌鍋)
・オクトムグイ(アマダイ焼き)
・ソンゲミヨックク(ウニ入りワカメスープ)
・オブンジャクトルソッパプ(トコブシの釜飯)
・コドゥンオ&カルチフェ(サバとタチウオの刺身)
・トムベゴギ(茹で豚)
・コギグクス(豚骨スープ素麺)
済州島は海産物と豚肉料理が豊富な島。
その魅力を存分に楽しむことができた1年でした。
中でも最後に書いたコギグクスは衝撃的な一品。
11月に食べてきたばかりなのでメルマガではまだですが、
いずれ近いうちに詳細を書きたいと思っています。
ちなみにサバの刺身については第168号で書きました。
第168号 念願叶ってやっと語れるサバの話題!!
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=560926
第3位には全州ビビンバと全羅北道料理をあげました。
全州は全羅北道の道庁所在地なので、
厳密にいえば、全羅北道料理に含むんですけどね。
いちばん有名なので、代表として特筆しました。
3月に取材で全州ビビンバを徹底取材したんですが、
そのときに食べたビビンバが本当に美味しかった!
そしてその感動を広く伝えたいとの思いから、
10月には全州ビビンバを食べる、旅行ツアーをプロデュース。
その一環として、全羅北道の各料理も味わってきました。
第7位にあげたマッコルリタウンもそうですけどね。
そのほかにも第185号、第186号にまとめてあります。
第185号 秋の名物、ドジョウを南原で食べる!!
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=596653
第186号 豆腐料理のデザートはドーナツだ!!
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=598736
第2位の大阪にも今年3回足を運んできました。
大阪は在日コリアンの方々が多く住んでいるため、
さまざまな形での韓国料理を楽しむことができます。
韓国ではなかなか見られない古いスタイルの韓国料理や、
日本の食文化と結びついた、新しい韓国料理など。
大阪の韓国料理は大阪でしか食べることができない。
その事実を、身をもって学べたのは貴重な体験でした。
僕が今年力を入れた「地方の韓国料理」というテーマの中に、
大阪も加えてよいのではないか、と思い始めています。
もちろん、たった3度の体験では語れることもわずか。
今後もしっかり通って、より深い食文化を吸収したいですね。
その第1歩を刻めたのが、何より大きな今年の収穫です。
「はい、第2位まで出揃いました」
「今年は本当に語ることが多いみたいですね」
「来年もこの調子でいってもらいたいものです」
「それでは大トリ、第1位の発表です!」
ダララララララララララ……。ジャン!!
第1位、わずか2口の結婚式料理
「第1位は結婚式料理!」
「ですが、わずか2口とはどういうことでしょう」
第175号にて報告させて頂きましたが、
僕にとって今年いちばんの出来事が結婚でした。
6月に入籍し、10月に親族だけの結婚式。
そして親しい友人知人を呼んで、11月にパーティ。
第175号 あの日あの時あの人と……7
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=576060
韓国好きな2人が結婚したということで、
韓国料理店を借り切って、ひたすら韓国式でやりました。
韓国の伝統衣装に身を包み、料理も韓国の結婚式料理を特注。
ウエディングケーキのかわりに韓国の伝統餅をカットし、
途中の余興ゲームも韓国で買ってきたものを景品にしました。
料理もずいぶん好評だったんですけどね。
やはり主役は食べる暇がなく、口に入ったのは2口だけ。
それでも一生思い出として残る味わいでした。
この結婚式についても、いずれ語ろうと思っていますので、
もう少々、お待ち頂ければ幸いです。
「ほとんど食べていないけど万感の思い」
「個人的なベスト10ですから、それもまたよしでしょう」
「1位というより、オチみたいな感じですけどね」
「まあ、それも八田氏らしいということで」
「また来年も、こうした報告ができることを祈りつつ」
「2008年のコリアうめーや!!はこれでおしまいです」
「2009年1月1日の、第188号でお会いしましょう」
「来年も、宜しくお願い致します!」
<お知らせ>
仕事が忙しくHPの更新ができません。
落ち着いたら、まとめて更新したいと思います。
http://www.koparis.com/~hatta/
<八田氏の独り言>
よい年末年始をお過ごしください。
そして来年も応援を宜しくお願いします。
コリアうめーや!!第187号
2008年12月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com