コリアうめーや!!第16号

コリアうめーや!!第16号

<ごあいさつ>
11月になりました。
吹きぬける風がずいぶん冷たくなって、
寒さに凍える冬も、もう間近です。
さて、八田氏、実は1週間ほど韓国に行ってまいりました。
実に10ヶ月ぶりの韓国で、いやあずいぶん変わってしまいましたねえ。
空港もすっかり新しくなって、まるで浦島太郎気分でした。
なーんてもっともらしいことを言っておりますが、
実はこのごあいさつ、出発の前日に書いていたりして。
だって帰国が31日なんだもん。配信日は1日なんだもん。
たった1日で書けるわけないじゃん。ねー。
旅の間に仕入れてきたネタは次回以降にまわすこととして、
まずはコリアうめーや!!第16号、戦い前夜のスタートです。

<日本で一山当てるならケランパン!!>

韓国で日本人は思う。
これ日本でやったら一山当てられるんじゃないかな。

韓国で日本人は思う。
あれ韓国に持ってきたら韓国人にウケるんじゃないかな。

普段商売っけなんかまったく無いくせに、
外国に来て珍しいものに出会うと、ついついそんなことを考えてしまう。
商売人にでもなったつもりで、あれこれ頭の中でソロバンをはじき始めるが、
実際に日本に帰ったって商売なんかするわけがない。第一そんな資金もない。

むむっ、この韓国ノリ安いっ!!
これを20枚ほど日本に持ちかえって3倍の値段で売れば……。むふっ。
おおっ、これが健康に良いと名高い高麗人参茶!!
隣のおばちゃんなら1万円でも買うかもしれん。うひゃっ。

そもそも素人がおのぼりさん気分でノコノコ出かけていって、
そう簡単に儲け話に出会えるはずが無い。
もうたいていのものは日本にある。

でも、そうやって、日本で売ったら儲かるかも、なんて考えるのも楽しい。
愚かではあるが、旅の楽しみのひとつであるのは確かだ。

その愚かを承知の上で、あえてぶち上げてみたいものがひとつある。
韓国の数ある屋台メニューの中で、最も輝ける庶民のオヤツ、ケランパンだ。
少なくとも八田氏はケランパンをまだ日本で見たことがない。
韓国ブームに燃える日本で一山当てる、最後の砦となるのがケランパンかもしれない。

ケランパン。見た目は今川焼きそっくりだが、具に一工夫してある。
今川焼きは中にあんこを入れるが、ケランパンはなんと目玉焼きを入れるのだ。
ケランパンのケランとは韓国語で卵のことで、直訳するとタマゴパンという意味だ。

小判型にかたどられた鉄板に溶いた小麦粉を流し込む。
次第にふっくらと固まっていく生地の上に、コンコンカシャッと卵を割り入れて塩少々。
半熟になるまで火を通したら、対面で焼いていたもうひとつの生地とドッキング。
生地に焦げ目がついて、中まで火が通ったら出来あがり。

今川焼きのガワの部分のほのかな甘味が、少量の塩に引きたてられて、素朴に美味しい。
妙に懐かしい味ながら、目玉焼きの濃厚な味と、白身部分のプリプリした感じが楽しくも
ある。焼き立てのアツアツのところを紙に包んでもらい、ハフハフと歩きながら食べるの
が最高。どこの屋台で食べても価格は一律500ウォン(約50円)。庶民の味方、学生
のためのオヤツである。

そんなケランパンの歴史は意外に浅い。
通貨危機が起こり韓国経済がIMFの管理体制下におかれた1997年。その余波で職を
失う人が増加するや、街には人々が急場をしのぐために始めた露店、屋台の類が軒を連ね
た。競争相手の増加により、それまで屋台を代表する食べ物であった、焼き芋、焼き栗、
タイ焼き(韓国語ではフナ焼き)だけでは、やっていけなくなるという事態が起こり、道
行く人の目を引くため、次第に新しいメニューの開発が始まっていった。溶かしたチョコ
レートをかけたバナナスティック、ソーセージ大のおでんダネを串にさしたホットバーな
どがしのぎを削る中、時代の風雲児として登場したのがケランパンだったのである。

若者を中心にケランパン人気は拡大し、瞬く間に韓国中に広がっていった。
IMF危機の中から生まれた時代の寵児ケランパン。
まさに不況ニッポンの救世主となるに違いない。

これを原宿あたりに屋台を出して売ったらどうだろう。
名前はあくまでもカタカナで「ケランパン」。
まかり間違っても「韓国風今川焼き」などという泥臭い名前をつけてはいけない。
かわいらしく、テンポ良くケランパン。
いけそうではないか。

今川焼きを作った経験は無いが、焼き型さえあればそんなに難しくもないだろう。
屋台だから資本金もほとんどいらない。材料費も安い。人件費もかからない。
まさに濡れ手で粟をつかむ絶好のチャンスだ。

さあ、ネタは提供した。
だれか実現させる者はいないか?
アイデア提供者である八田氏へのマージンは売上の3割でいい。
勇気ある人材を待っている。

<おまけ>
今川焼きというのが正しいのか、大判焼きが正しいのか?
二重焼き、回転焼きなどという呼び名もあるそうです。
東京に住んでいる八田氏は大判焼きが1番しっくりきます。
ちなみに広辞苑を引いてみたところ、大判焼きは無く、今川焼きはありました。
それで今川焼きに統一してみたのですが……どうでしょう。

<お知らせ>
今回紹介したケランパンの写真をホームページに載せてみました。
今回の旅で撮影してきたものです。
よかったらのぞいてみて下さい。
http://www.koparis.com/~hatta/

<八田氏の独り言>
韓国での波乱万丈の1週間を新しいメルマガにしようか検討中です。
題して「コリアうめーや!!旅日記編」。

コリアうめーや!!第16号
2001年11月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com



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